『うるま』は1992年にPC98用として、ボンびいボンボン!から発売されました。
後に一時代を築くことになるビジュアルアーツ。
その最初のブランドがボンびいボンボン!であり、本作はボンびいボンボン!の初のADVとなる作品でした。
<概要>
ゲームジャンルはコマンド選択式ADVになります。
あらすじ・・・
ハイキングに出かけた主人公の猛と恋人のまい。
二人は、そこで不思議な石碑を見つけます。
まいが、その石碑に触ると、爆発が起こり、中から妖獣が出てきます。
二人は気を失ってしまいますが、見知らぬ村人に助けられます。
村人の話によると、その妖獣は「うるま」という両性具有の魔界の獣で、うるまに襲われた女は、わずか一週間でうるまの子を身ごもるという。
主人公は、うるまを再び封じるために動くことになります。
<感想>
ゼロ年代前半頃って、Keyを筆頭に、ビジュアルアーツの作品が全盛でしたよね。
そんな一時代を築いたビジュアルアーツ。
PC98時代に最初に作品を出した時のブランド名は、ボンびいボンボン!と言いました。
私は、ボンびいボンボン!の作品が大好きだったということもあり、個人的には今でも、VAって言われると、やっぱりボンびいボンボン!なんですよね。
そのボンびいボンボン!のデビュー作は、『しぇいくしぇいく!』というクイズゲームでした。
そして2作目が、本作になります。
VAといえばノベルゲーム、つまりはADVですから、VA系列のADVの歴史は、この作品から始まったといえるのでしょう。
とはいうものの、本作の一番の価値って、上記の資料的価値なのでしょうね。
本作はコマンド選択式のADVなのですが、特に工夫があるわけでもなく、ごく普通の作りでした。
ヒロインも特に可愛いというわけでもないですし、沙織事件後の92年という発売時期の関係もあり、エロも薄かったですし、また、特にストーリーが良いというわけでもないですから。
その後の同ブランドの発展が信じられないくらいに、本作に関しては普通の作品でしたね。
<評価>
ホラー系の作品が好きならば、それなりに楽しめるでしょうが、そうでないと少し厳しいかもしれませんね。
しかも、B級ホラー作品って、PC88時代のアダルトゲームには、少なからず存在しましたし。
PC88時代の同系統の作品らは、ストーリーは適当なものも多かったですが、四肢切断のCGとか、インパクトだけはあるという作品も多かったわけでして。
そうなると、本作はPC88時代の作品から、その妙なインパクトが抜け落ちた作品となってしまい、どうしても見劣りがするのです。
そのため、PC88時代からのユーザーの方が、本作には辛くなるかもしれませんね。
したがって、総合では凡作とします。
上記のとおり本作は、VAの原点とも言える作品ですから、VA系の作品が好きな人で資料的価値を重視する人向けの作品といえるでしょうね。
ランク:D(凡作)
Last Updated on 2024-08-25 by katan
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