『犯し屋さんに狙われた』は2015年にWIN用として、こんでんちゅ☆みるくから発売されました。
カオスな内容でありつつも、サークル代表作と呼べる秀逸な作品でした。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
・エンディング数: 9種(エンディングリスト有り)
・CGモード搭載 (基本CG: 51枚)
・シーン回想モード搭載(エロシーンは約60シーン)
・エロシーンの94%は、アフターエフェクツ動画が有ります(約100個)
あらすじ・・・ネットの友人に教えてもらった、妙に厳重にセキュリティのかけられた会員制の夜のおかずサイト、「あなたの街の犯し屋さん」。
このサイトでは、女の子は通し番号とお菓子の名前で呼ばれる事になっていて、実名は一切出ない。
現実離れした過激な内容と、ひたすら自分の欲望を満たすためだけに動く男たち。
少しわざとらしい気もするが、夜のおかずとしては十分!
「商品の少女たちは、適正のあるものをターゲットとして捕獲し、現実に性奴隷調教を受けてから、会員様に提供致しております。」
なんて書いてあって手が込んでいるよな。ははは。そう、思っていた…あの時までは…
コンビニでバイトしている最中に出会った、ボンテージファッションに首輪・目隠しをされ、泣きながら、ひたすら男に強○されていた少女…
タイトル:『コンビニで、目隠しファック敢行!』
今日更新されていた動画を再生して、膝が震える…
…あの時の、オレが映っている…
このサイト、やらせじゃないっていうのかよ!
最愛の妹が謎組織に狙われた!?
やりたい放題の妄想・暴走お兄ちゃんは、果たして妹を救えるのか?
<感想>
まず最初に、本作の正式タイトルは、『犯し屋さんに狙われた』であるものの、DL版の通販サイトなどでは規制にひっかかるようで、『○し屋さんに狙われた!』として登録されています。
そのため、検索などを利用する人は、少し注意が必要になるでしょう。
さて、本作をプレイしていてまず感じたことは、とにかくエロいということと、客観的な量の多さに伴うコスパの良さでした。
本作は同人ゲーであり、1000円とちょっとで購入できます。
それでいてテキストのボリュームは下手なフルプライス並にありますし、基本CG枚数も50枚以上とミドルプライス並にあります。
しかもCGのほとんどはAEアニメで動きまくりますしね。
この価格でこの分量ならば、コスパ的には文句なしでしょう。
また、AEアニメの出来も秀逸であり、凄くエロかったですね。
変な話ですが、私は長年多くのエロゲをプレイしてきたこともあって、あまりエロいと感じることがなくなっていました。
本作をプレイして久しぶりにエロいなと感じたわけで、エロゲの基本はやっぱりエロだよなと、何だか初心に戻ったような気になりました。
一番基本的なことのはずなのに、何だかとても新鮮な気分になれ、とても満足できました。
ストーリーは、犯し屋さんという謎の組織に妹が狙われたことから、主人公は妹を守り通せるのかという内容が基本になるのですが、途中で主人公が代わることもあり、ちょっと説明しにくい内容でもあります。
凄いのは内容で、ベースは陵辱ものであるものの、主人公がバカゲーの主人公みたいに少しおかしかったり、寝取り寝取られやら、近親相姦やら、主人公交代やら、様々な要素が入り乱れています。
一言で纏めるならば、とても「カオスな雰囲気」の作品なのですよ。
したがって、俺はこの属性は楽しめないというのが多い人や、自分の事前の予想とずれるのが嫌な人とは相性が悪いかもですが、逆に、次に何が起こるか分からないというカオスな雰囲気が好きな人なら、きっと楽しめるように思います。
重複の少ないシナリオに起伏に富んだ展開は、読んでいてだれることなく最後まで非常に楽しめましたし、プレイしていて何となくPC98時代の作品を思い出しました。
そのため、ベテランゲーマーでも楽しめると思いますし、こういう作品は近年では非常に珍しいだけに、新規ゲーマーでも新鮮な気持ちで楽しめるように思います。
それと本作に対しては、もう一つ凄いなと思えることがありまして。
こんでんちゅ☆みるくの過去作では、例えば四肢切断の達磨のように、かなり鬼畜な描写やグロいシーンも多かったのです。
その過激さに注目していた人も多いでしょうしね。
商業ゲーの規制が厳しくなり陵辱系の発売が困難になった時期に、あえて徹底した陵辱と鬼畜描写のある作品を出してきたわけですから、これは挑戦してきたなと当時感じたものでした。
それから数年が経って、陵辱に対する規制が厳しいこと自体は、現状でもあまり変わらないのでしょう。
しかしながら、商業エロゲだのアニメなどでも、薄く安易なグロでライトユーザーを釣る作品が増えました。
薄っぺらいグロであるとか、それに類した似非鬼畜路線はもう食傷気味であり、そういった路線はもう賞味期限切れだろと個人的に思うわけでして。
だからもし、こんでんちゅ☆みるくが従来と同じ路線で来たならば、もちろんそれなりには楽しめたと思いますが、その一方でサークル自身に対するマンネリさを感じたでしょうし、ジャンルに対する否定的印象も相まって厳しめに見ていたことでしょう。
ところが今作では、あまり極端に過激なシーンはないのですよ。
しかし、それでいながらゲーム全体としては、過去作以上に混沌とした内容の、上記のようなカオスな雰囲気を作り上げているわけですから、これはもう、見事と言うしかありません。
言い換えるならば、本作は安易に現在の流行路線に乗っかるのではなく、時代に先んじて方針転換をしてきたわけであり、これも一つの挑戦であると言えるのでしょう。
こうした一歩先を進むような作り手の感覚は、個人的には非常に好ましいですね。
それから、このサークルの過去作は、どうもシステムに難があって、やたら重いのがネックだったんですよね。
過激な内容なのに話題になりにくかったのは、システムの悪さが影響していたと考えますし。
もっとも今作では普通のシステムになっていますので、過去作と異なって普通に快適に楽しめます。
これで他所の同人並になったと言えばそれまでですが、過去作より進化しマイナス要素が消えたことも確かなのでしょう。
<評価>
90年代までの作品にあったような何が起こるか分からないカオスさと、現代的なAEアニメを用いた抜群のエロさと、価格を遥かに超えた圧倒的なコスパの良さ。
それらに価値を見出せる人ならば、間違いなく楽しめるでしょう。
総合でも名作といえるでしょうね。
いやほんと、何なんだろうねと我ながら不思議に思ってしまいますが、アダルトゲームの基本はやっぱエロなんだよなと、何年ぶりかに再認識したような感じであり、カオスな雰囲気による妙な懐かしさとAEアニメによる現代的魅力が融合し、全体としては新鮮な感覚で楽しめました。
また、このタイミングでこういう作品を出してきたのならば、次作は一体どうなるのだろうと、次にも期待したくなる作品でしたね。
ランク:A-(名作)
Last Updated on 2024-09-28 by katan
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