AS ~エンジェリックセレナーデ

2002

『AS ~エンジェリックセレナーデ』は2002年にWIN用として、工画堂スタジオから発売されました。
制作はくろねこさんチームになります。

『エンジェリック・コンサート』に続く、ミュージックアドベンチャーの第2弾になりますね。

<感想>

ゲームジャンルはADVで、直接街の中を移動させるタイプになります。
また、本作はミュージックアドベンチャーということで、ミュージックアクションパートがあります。
画面上に流れてくる音符に合わせてボタンを押すといったもので、システム自体は単純なのでしょうが、ACTの下手な私にはちょっときつかったですかね。

物語的には、魔法世界の土の国にある小さな街フォンティーユを舞台に、主人公が失われてしまったであろう「何か」を取り戻すまでを描く・・・といった感じになります。

ストーリーの出来自体は普通ってところでしょうか。
テーマである音楽とゲーム性を連動させようという発想は良いのですが、その実際のゲーム性やストーリーは、悪くもないけど良いとも言い切れない感じでした。

もっとも、キャラは良く、特にラスティは、工画堂でも屈指の名ヒロインだと思いますし、そこは大きなポイントかなとは思います。

ここまでだと、キャラ以外には、あまり印象に残りにくい作品のようにも見えかねないのですが、実はある1点により、今でも非常に印象深く覚えていたりするわけでして。
それが何かというと、オリジナル版の主題歌です。
主題歌の「天使の歌う小夜曲」がたまらなく好きだったんですよ。
もっと言えば、デモで流れてた頃からの話になりますね。

実は発売前から注目していたにもかかわらず、購入したのは発売からもかなり経ってからでした。
その間ずっと、お店の前のデモを何度も見てましたっけ。
ゲームそのものよりも、あ~よく長いこと店にいすわってデモを見てたよな~って、そっち方面で妙に思い出深いんですよね。
あの頃、秋葉原で同じようにデモを何度も見ている人がいたら、もしかしたら一緒に見ていたかもしれません。

ちなみに、本作は後にDVD版が発売されていますが、大人の事情でOPとEDが別のものに替わっています。
変更せざるを得なかった事情も十分に理解できますし、ゲーム全体では底上げされているのでしょうから、何も知らない人ならDVD版の方が楽しめるのでしょう。
だからDVD版を否定するつもりはないのですけどね。
それでも私にとってのASは、やっぱり「天使の歌う小夜曲」と同義に近いわけでして。
それがなくなってしまっては、もはや何の意味もないのです。
あくまでも個人の感想ではありますが、だからいつまで経ってもCD版しか興味が持てないのですよ。

いずれにしても、音楽に力を入れた作品で、その中でも一番注目されるであろう主題歌が良かったわけですから、これは好印象になるってものでしょう。
実際、本作は、当時のくろねこさんちーむ作品の中で、最多の出荷数を記録したそうです。

<評価>

ゲーム自体の出来は佳作程度なのかもしれません。
ストーリーだけなら良作とも言えるでしょうが、実際のゲーム部分が足をひっぱっていましたからね。
しかし、ノベルゲー全盛でどこもノベルゲームばかりになる中で、あえてそうでないADVを作ろうとした意欲、そして何年経っても忘れられない主題歌を評価し、トータルでは良作としておきたいと思います。

ランク:B(良作)

Last Updated on 2025-03-21 by katan

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