SNOW - ADVGAMER

『SNOW』は2003年にWIN用として、スタジオメビウスから発売されました。

スタジオメビウスの作る恋愛モノとして話題になったのですが・・・

＜概要＞

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
主人公・出雲彼方は、万年雪に囲まれた村で老舗旅館を経営する従姉から旅館のバイトを頼まれる。
昔に一度だけ行ったことのある、記憶の片隅に残る雪の村。だがその村に着いて早々、落石事故に遭い瀕死の重傷を負ってしまう。
次に目が覚めると、従姉が経営する温泉旅館「龍神天守閣」の中にいた。
重傷を負ってしまったはずが、なぜか無事に生きている。
そして、その日から彼方は見えない運命に翻弄されてゆくのだった…。

＜感想＞

『悪夢』や『絶望』といった陵辱もので有名なスタジオメビウスが、何をとち狂ったか恋愛ものを作る。
その時はビックリしたものですが、絵を見た瞬間に購入を決めました。

もともと私は、『不揃いのレモン』の頃から原画である飛鳥ぴょんさんの絵が好きでしたからね。
それなのにずっとまともな新作がなかったわけですから、これは買わねばと思うでしょう。
実際、プレイしてもグラフィックは良かったですね。
原画だけでなく、演出も含めた全体が良かったです。

購入を決めた理由はもう一つあって、それがI’veのサウンドでした。
当時はまだ人気が凄かったですし、期待したくもなります。
ただ、こちらの方は普通ってところでしょうか。
それよりも、この時期になって音声がないことの方に違和感がありました。

さて、ここまでの部分は比較的好印象なのですが、問題はゲームの核となるストーリーです。
本作は、冬を舞台にした恋愛ものになります。
ただ、ストーリーやキャラがkeyの作品群と酷似していたのです。
確かに同じビジュアルアーツ系列の作品で、内部的には問題はないのかもしれません。
しかし、どこか既視感のあるストーリーなうえに、それに輪をかけて退屈なテキストだったことから、読んていて楽しむことができませんでした。
keyの過去作をまったく知らない人か、知っていても劣化コピーでも構わないから同じような作品を求めている人なら楽しめるかもしれませんが、そうでないと、結構きついと思います。

＜評価＞

総合的には凡作ってところでしょうか。
グラフィックは長所といえますし、その点では満足したのですが、それ以外の不満点が大きかったものですから。

上記のとおり、本作は楽しめる人とそうでない人がはっきり分かれると思います。
なんで、この作品を作ろうと思ったのでしょうね。
リビドーの『放課後恋愛クラブ』『放課後マニア倶楽部』のような展開にしたなら、一部では大絶賛されたでしょうに、そういうわけでもないですしね。
個人的には、スタジオメビウスには、他ブランドの人気作品の後追いではなく、スタジオメビウスらしさを活かして過去作のように独自路線を突き進んでもらいたかったものです。

ランク：Ｄ－（凡作）