『プロジェネター』は1994年にPC98用として、光栄から発売されました。
光栄のリコエイションゲームの1つなのですが、他の作品よりはマイナーかもしれませんね。
<概要>
光栄にはリコエイションゲームと名付けられたゲームがありまして、これはRPGとSLGの中間的な感じのゲームでした。
もっとも、RPG自体、SLGの中の戦闘と育成に特化したゲームみたいなものなので、上記の説明だと分かりにくいですかね。
イメージ的には、RPGにおける戦闘の配分をかなり減らし、そのかわりに自由度をかなり高めたシリーズなのです。
シリーズとしては以下のものがあったようです。
・維新の嵐シリーズ ・大航海時代シリーズ ・太閤立志伝シリーズ
・伊忍道 打倒信長 ・ゼルドナーシルトSpecial
・神々の大地 古事記外伝 ・プロジェネター
上の段の3つは、シリーズ化もされゲーム機各機種にも移植されていますし、作品としても評判が良いものが多いですよね。
でも、中には移植されずにマイナーなままという不遇なゲームもあって、プロジェネターもまたその中の一本となるわけです。
<感想>
肝心の中身なのですが、宇宙を舞台にした宇宙海賊の物語であり、端的に言ってしまうと舞台を宇宙に変えた『大航海時代』なのです。
つまり主人公は、宇宙海賊として、時には戦力を整えて敵艦に戦闘を挑んでみたり、時には貿易に勤しんだりするわけです。
この当時の光栄の作るリコエイションゲームだけあって、ゲームとしては面白かったし、良くできていたと思います。
ただ、私は前年に『大航海時代2』にどっぷりはまっていたし、似たような内容で舞台を変えただけともいえるこの作品には、名作と呼べるほどの魅力は感じられなかったわけでして。
そのため、総合でも良作としておきます。
ただ、リコエイションゲームは、何かを下地に用いたものが多いですからね。
維新の嵐や太閤立志伝はもろに歴史上の人物の縛りがありますし、大航海時代は人物的にはまだ自由なのですが、技術的なものや文化的なものには当時の水準という縛りが出てきます。
つまり、どれもこれも過去の歴史による縛りが存在するわけで、もちろんそれがリアリティと面白さも演出していたのだけれど、中には何にも縛られずもっと自由に遊びたい人もいるでしょう。
如何せん歴史が絡んできますと、詳しい人ほどゲームと離れた部分で気になるところが出てしまうし、逆に知らないと思い入れも生まれにくいですしね。
そういう意味では、何のしがらみもない、どこまでも自由な、前提知識なんかなくても誰でも楽しめるような、そんなリコエイションとしてのシステムのみを追求できる作品として、本作は大きな意義を有していたのかもしれません。
そう思うと、今やったらまた違った印象が抱けるかもしれないわけで、時間があればまたやってみたい作品ですね。
ランク:B(良作)
Last Updated on 2024-10-03 by katan
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