恋姫 ~Mystic Princes~

1995

『恋姫 ~Mystic Princes~』は1995年にPC98用として、シルキーズから発売されました。

む~む~(菅宗光)さんがシナリオを手掛け、根強いファンのいる作品でしたね。

<感想>

田舎、夏、何かもうそれだけでもそそられる物がありますが、本作は和風テイストな作品でした。

ゲームシステムはコマンド選択式のADVで、特に目立った点もないのですが、システムというより見せ方に特徴がありまして、本作は縦書き表示だったのです。
縦書き表示のゲーム自体は以前にもありましたし、通常の横書きのADVと比べた場合、おそらく一般的には縦書きの方が見辛いと思います。
だから通常ならあまりプラスに作用するものでもないのですが、シナリオが和風テイストであることと相まって、この作品に限っては縦書き表示がとても効果的に作用しました。
結果、全体的な雰囲気が非常に秀逸な作品へと仕上がったのです。
ちょっとしたことではありますが、作品に応じて細かな仕様を変えていく姿勢は評価したいものですね。

ライターはむ~む~(菅宗光)さん。
今なら『うたわれるもの』のライターですって言った方が、若い人なんかには分かりやすいでしょうかね。
あぁでも、うたわれからも10年なので、それすら通じなくなってきているかもしれませんけれど・・・
いずれにしろ一時期間隔が空いたりもしましたが、今はleafに移って比較的コンスタントに作品を作り続けています。
そのため、今更触れる必要もないかもしれませんが、テンポ良く進行しつつも笑いや泣きといった要素が散りばめられ、とても安心してシナリオを楽しむことの出来るライターだと思います。

そのむ~む~さんの、たぶんデビュー作がこの作品だったと思います。
私の把握しているのが『恋姫』と『ビ・ヨンド』だけですので、もしかしたら他にあるかもしれませんけどね。
そして古い作品ではありますが、む~む~さんの作品の中ではこれが一番好きって人が、昔は結構多かったような気がします。

<評価>

総合では良作とします。

ライターの持つ世界観・特徴が凝縮されたという点では、なるほどそれも納得できるなとは思います。
今からでもファンなら本作はやっておくべきでしょう。

ただ1作品として見た場合には、ちょっとボリュームが少なかったんですよね。
どうしても小粒な印象が強くって。
また95年というのは、エルフ関連は他にも優れた作品が多かった年です。
『遺作』とか『同級生2』とかね。
エルフの最盛期はいつかと聞いた場合、95年だと答える人も結構な数になると思います。
私はちょっと違う意見なのですが、それでも95年に楽しめるゲームが多かったのも確かですし、上記2本の方が本作より上だと考えます。
そのため、面白い内容だとは思いますが、評価的には世間よりちょっと辛めになったかなって感じですね。

ランク:B(良作)


恋姫

Last Updated on 2024-10-25 by katan

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