メッセンジャーフロムダークナイト

1995

『メッセンジャーフロムダークナイト』は1995年にPC98用として、TOPCATから発売されました。

出る時期が少し早すぎプレミアと化した、伝奇ノベルですね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

本作は、少し前に雑誌にオマケでついてきたので、大分入手しやすくなりましたね。
それまでは本当に幻の作品でしたから。
プレミアが付いていたという意味では、同じTOPCATの『ZAP the magic』も該当します。
ただ、『ZAP the magic』の方は、プレミアがついていても、まだ店頭で見かけることが出来ただけでもマシでしょう。
如何せん、こっちは価格云々以前に、そもそも見かけることすらなかったですし。

<感想>

93年以降、アダルトゲームにおいても、ノベルゲーが増えていきました。
当時はマルチストーリーマルチエンディングADVと言われることが多かったです。
本作も、その中の1本でした。

ノベルゲーも、シナリオを読むことが主目的のノベルウェア型の作品と、分岐を楽しむゲームブック型の作品があります。
本作はゲームブック型の作品であり、ED数も80以上ありました。

また、当時としては珍しい伝奇作品であり、人間や妖魔がごっちゃになって学園で生活している世界観は独特でした。
90年代の中ごろまではハイファンタジーの作品が多く、こうした設定の作品は少なかったです。
今のラノベはローファンタジーが主流ですので、そう考えると出た時代が早すぎたのかもしれませんね。
もう少し後だったならば、もっと人気が出てたのかなとも思います。

ただ、正直なところ、ストーリー自体はそれ程でもなかったんですよね。
何だかんだでノベルにおけるストーリーの比重が高いことは、もはや疑う余地がないことだと思います。
その中でストーリーが普通というのは、やっぱりちょっと物足りなかったですね。

それと、エンディング数は80以上とありますが、微妙な違いってのが多かったんです。
そのため、数は多くても、決して質が伴ってたとはいえないかもしれません。

<評価>

他と被ることがない作品であることから、刺さる人には刺さるかなとは思いますが、上記の不満点から、総合では良作とします。

ちなみに、本作に関しては、1点、言及すべきことがありまして。
というのも、本作は、画面全体にテキストが表示されるタイプのノベルゲームになります。
ノベルゲーム自体は、80年代から存在しますし、一時期数が減ったものの、また93年から増え始めたわけでして。
だから、決して珍しくもないのですが、leafの熱狂的信者は、そういう過去の作品を知らないのか、ビジュアルノベルがエロゲのノベルゲーの元祖とか言い出すんですよね。
いやいや、80年代からノベルゲーはあるよと言っても、今度は、画面全体にテキストが表示されることに価値があるようなことを言い出すわけでして。
私は、テキスト欄が画面下部だけなのと、全画面に表示されることに大した違いはないと思うのですが、そこにこだわる人もいるんですよね。
何とも謎ですが、ただ、まぁ、そういう人がいたとしても、ビジュアルノベルより前に、本作のような存在があるわけですから、leafの作品が最初ということはないわけですね。

ランク:B(良作)


メッセンジャーフロムダークナイト

Last Updated on 2024-10-28 by katan

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