『メルヘンパラダイス』は1990年にPC88用として、グレイトから発売されました。
童話をモチーフにした作品でしたね。
<概要>
ゲームジャンルはコマンド選択式ADVになります。
あらすじ・・・
ごく普通の高校生である主人公がある日、通学路の途中の空き地にある土管をのぞくと、その中に引き込まれてしまいます。
そして気が付くと、そこは童話風の異世界であり、主人公は世界を支配しようとする魔王を倒すべく、旅に出ることになるのでした。
<感想>
何かをモチーフにしたり、何かのオマージュだったりする作品は、アダルトゲームではわりとよくあることです。
もっとも、その対象については、流行や偏りが結構あるように思うわけでして。
たとえば童話を題材にした作品は、現在は女性向けの作品では頻繁に見かけるのですが、男性向けではあまり見かけません。
じゃあ、男性向けで童話を用いた作品がないかというと、決してそういうわけでもなく、PC88やPC98の時代には見かけることもあり、本作もまた、その中の1本になります。
具体的には、上記のとおりであり、主人公には一応目的があるのですが、あまりその辺は気にしなくて良いかもですね。
むしろ、白雪姫だの、シンデレラだの、童話に出てくる女性をモデルにしたヒロインたちと、あちこちでHをする作品という認識の方が良いと思います。
また、作品全体の雰囲気としては、明るい感じの作品になりますかね。
<評価>
総合では佳作としておきます。
これはこれで楽しめる作品ではありますし、この時期らしい雰囲気を持った作品でもあると思います。
ただ、これは前後を知らないと分からないかもですが、本作を発売したグレイトは、前年である89年には、80年代屈指のシナリオゲーとして有名な、『イミテーションは愛せない』とか、選ばれなかったヒロインの存在について問題提起を行った、時代を先駆けた意欲作の『トワイライトゾーン3』など、名作や意欲作を連発していましたからね。
グレイトは、当時のエルフやバーディーのように、可愛く綺麗なCGがあるわけではないので、一般的な人気や知名度は高くなかったかもしれません。
しかし、絵や売上にとらわれることなく内容で判断する、今でいうシナリオ重視ユーザーには、要注目のブランドだったわけでして。
本作は、そうした状況の中で発売された作品、すなわちハードルが高くなった中での発売であり、そうなると、どうしても物足りなさを感じてしまうし、ブランド内における優先順位も、低いものとなってしまうのでしょうね。
ランク:C(佳作)
Last Updated on 2025-02-11 by katan
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