『うたかたの蕾』は2013年にWIN用として、VENUSから発売されました。
正統派の寝取られモノで、ここまで楽しめたのも久しぶりですね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
選択肢の数は少ないので、選択肢でセーブしておけば攻略は容易でしょう。
商品紹介は以下の通り。
姉に同居してほしいと頼まれて、かつての地元に戻ってきた主人公「伊崎 孝太郎」
夫を失って、孤独に耐え切れなくなってしまった姉「三浦 孝子」
いつも無表情で人と関わろうとしない○学生の頃のクラスメート「飯沼 美雪」
髪を金髪に染め、反抗的な態度ばかりとる不良娘「高村 友恵」
孝太郎が転入してきたことで、全てが動き出すことになる。
性と向き合うことになった女たちの淫靡な日々の先にあるものは・・・。
基本CG50枚以上(差分込み400枚以上) 背景カット、カットイン20枚以上
総ボイス6000以上 マルチEND仕様
<感想>
本作は序章と本編で構成されています。
序章は体験版として無料で公開されていますね。
主人公とヒロインたちとの出会い、そして仲が良くなっていくまでを描いたのが、序章部分になります。
本編はフルボイスなのですが、この序章部分には音声がありません。
そのために、どうしても物足りなさも感じてしまいますし、中には飛ばしてしまう人もいるのかもしれません。
しかし、この序章で主人公とヒロインとの関係を丁寧に描いたことが、その後の寝取られに非常に効いてくるのですから、できればじっくりと読むべきなのでしょう。
決して派手さはないけれど、ほんわかした心温まるボーイミーツガールなので、純粋に、こういう恋愛もの好きなんだよって人もいるでしょう。
そんな恋愛ものから寝取られ(NTR)に発展するからこそ、本編の威力が増してくるのです。
本編はNTRパートになります。
メインヒロインは、商品紹介だと3人いるように見えてしまうのですが、
実際には孝子と友恵の2人ですね。
美雪はサブヒロインのような存在であり、他の2人より分量がかなり少ないです。
ほとんどの人は問題ないと思うのですが、美雪にしか興味がない人は一応注意が必要と言えるでしょう。
ストーリーとしては芋づる式になっており、孝子は友恵を守るために美雪は孝子を守るためにという関係があることから、一人が寝取られると後はずるずるといった感じになります。
寝取る側の男は友恵らの学校の先生であり、見た目も中身も徹底した下衆ですね。
下衆なんだけど、ねちっこくしぶとくヒロインに迫っていきます。
ここまで徹底していれば、逆に天晴です。
孝子は最初は嫌がっていたのに、大人の女性は心と体が別ということで、次第に深みにはまっていく様子とか、見ていて興奮してきますね。
未亡人である設定も、きちんと活かされていたと思います。
時には、たっぷりと時間をかけて進行します。
友恵なんかは犯れるチャンスが何度もあるにもかかわらず、ゆっくり信頼関係を築き上げながら行為に及んでいますからね。
間男と友恵の間に信頼関係もあることから、こっちは少し準和姦っぽくもあるのだけれど、天敵同士だった両者の関係が変化していく様子にはグッとくるものがありました。
全体としては、特に奇抜な要素のない正統派の、オーソドックスな寝取られ(NTR)作品と言えるのでしょう。
オーソドックスであるがゆえに、この手のジャンルが好きならば、誰でも楽しめるという作品だと思います。
そうなると、今度はコアなNTRマニアには別の心配が出てくるでしょう。
私も寝取られものが好きだから一杯プレイしてきたし楽しんできましたが、好きで一杯やっているからこそ、同じような展開を何度も見てきているわけです。
だからオーソドックスな作品だと一定の満足はできても、心底は満足できなくなってしまうのです。
まぁ王道正統派大好きな人なら問題ないのかもしれませんが、特に私は新鮮味のない作品を好まない傾向がありますので、これまでも巷で評判でもオーソドックスな作品は、いまいち楽しみきれなかった作品も多いです。
そんな私であっても、この作品は面白かったです。
それこそED直前までは、これまでのNTR特化ゲー歴の中でも、歴代最高点を叩き出すのではと思えるほど楽しんでいました。
野球で例えるならば、確かにど真ん中のストレートではあるのだけれど、160㎞以上の速度で飛んでくるといった感じでしょうか。
テキストは丁寧であるものの、ストーリーは正統派でありますし、人によってはご都合主義に感じられかねない強引さもあります。
それにもかかわらず、これは凄いな面白いなと思えた最大の要因は、CGの使い方にあったのでしょう。
<グラフィック>
まず、キャラデザ・塗りに関しては同人っぽさがありますし、まぁ価格からすればこんなところかって感じでもあります。
しかし差分を除いた基本CGはミドルプライスの作品並にあり、価格からすれば十分すぎるほどにあります。
個々の塗りの質は、この量の多さでカバーした感じですね。
また、同人ノベルにしては珍しく目パチもあります。
今は手抜きで、商業作品でも目パチのない物も多いですからね。
大きなポイントにはならないものの、こういう部分で手を抜かないのは地味に好印象です。
さて、グラフィック面での一番の特徴は、カットインの使い方にあるのでしょう。
どうも商業作品のカットインだと小枠でデフォルメしたものを映したり、表情を拡大したものを部分的に挿入したりと、使われ方が似たり寄ったりで幅が狭いように感じてしまい、個人的には最近はあまり効果的に感じなくなってきています。
本作はカットインの一種ではあるのでしょうが、上記のような使い方ではなく、その場面にきちんと合わせてキャラの体勢を変化させたものであり、少し引き気味の構図で全体を表現している辺りも、ちょっと他のゲームとの違いにつながっています。
欲しい場面に欲しいCGがあるというだけでも満足感につながりますが、それに加えて案外こういうCGの使い方のゲームも他にないよなということで、ちょっと新鮮な気持ちにもなってきます。
このCGの使い方の上手さと新鮮さで、ストーリーが更に輝いて見えたということですね。
<評価>
このCGの使い方が丁寧なシナリオに組み合わさることで、途中までは野球で言うところの160㎞超えの速球に見えた本作。
これは文句なしに名作だな~とか思いながらプレイしたし、最終的にも名作と判断する人がいても
何ら不思議ではないのでしょう。
ただ、ラストのEDがあっさりしていたために、個人的にはそこで拍子抜けしてしまいました。
160㎞超えで来た速球も、手元では普通の伸びみたいな感じで。
必ずしも手元(最後)で伸びろとは言わないし、最後まで同じような感じで来ただけでも、十分に名作扱いだったのですけどね。
まさに画竜点睛を欠くと言ったところでしょうか。
本当に良い感じできていただけに、非常にもったいなかったです。
というわけで、総合では、限りなく名作に近い良作としておきます。
私の感想としては以上になりますが、オーソドックスなんだけど、素直に面白いと感じられる作品ですからね。
個人的にも正統派の寝取られゲー作品で、ここまで満足できたのも、本当に久しぶりって感じですし。
常連の人は分ると思うけれど、内容がオーソドックスな作品って、私はほとんど褒めないですから。
奇をてらった変化球だと合う合わないが出てきてしまいますが、これは寝取られ好きならば、大半の人が最低でも元は取れるでしょう。
そういう意味も含めて、NTRというジャンルを代表する作品と思うし、非常にオススメできる作品だと思いますね。
ランク:B(良作)
Last Updated on 2024-11-06 by katan
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