『かおりクライマックス』は1997年にWIN用として、h.m.pから発売されました。
当時まだ珍しかった、3DCGを用いた育成SLGでした。
<概要>
ゲームジャンルは育成SLGになります。
具体的には、新設した事務所のオーナーとして、スカウトしてきたヒロインをアイドルとして育てることが目的となります。
<感想>
h.m.pはゲームブランドとしてはマイナーなのですが、AV方面からアダルトゲームに進出してきたという点において、非常に珍しいブランドでもあるのでしょう。
まぁAV方面からアダルトゲームへの進出と広義に捉えれば、結構後発なのでしょうけどね。
しかし、AV方面からの進出の場合、大抵の場合は自身の持ち味を活かして、実写エロゲ、しかもムービー集に毛の生えた程度のゲーム性を付加したものを作っていたものです。
したがって、h.m.pのように、3DCGでゲームを作ろうってところは、存在そのものが非常に珍しかったと言えるでしょう。
さて、本作は育成SLGであり、ゲーム部分に特別な点はありません。
期間が一年であることから、良く言えば気軽に息抜きで遊べる作品であり、悪く言えばあっさりして物足りなさも残る作品でもありました。
もっとも、重要なことはゲーム部分ではなく、本作の場合は何と言っても、3Dを使用したCGにあるのでしょう。
さすがにわざわざAV業界からアダルトゲームに進出してきただけあり、目の付け所もいろいろ他所と異なっているわけでして。
本作に関しては内容自体は普通であるものの、3Dにこの時期に挑戦する辺りにその意欲が伝わってきます。
確かアダルトゲームにおける最初の3D作品もh.m.pだったように思うのですが、この時期の3D路線としては他にはイリュージョンが挙げられるでしょうか。
イリュージョンは最初の方の3D作品は酷く、キャラも人外にしか見えなかったものの、少しずつ進化していきます。
今では、かなり綺麗になりましたからね、本当に進化したものです。
もっとも、どちらかというとイリュージョンは「綺麗」路線でもあったので、二次元的な「可愛い」路線ではありませんでした。
ゼロ年代前半ではティータイムが主に3Dと2Dの融合であるとか、可愛い系の3D作品を模索していたように思います。
同じ3Dでも、イリュージョンと方向性が違っていましたからね。
そういう可愛い系の3Dで90年代を考えるとするならば、イリュージョンではなくh.m.pになるのではないでしょうか。
特に本作で、私は初めて3Dキャラで可愛いと思えましたからね。
というわけで、単純な育成SLGでゲーム部分には難があるものの、3Dで可愛い系のキャラを作りあげたという点で、なかなか特徴のある作品でもありました。
<評価>
総合的には今の視点で考えたり、或いはゲーム部分だけみると凡作以下なんですけどね。
当時におけるグラフィックの良さで元は取れたということで、佳作としておきます。
ランク:C-(佳作)
Last Updated on 2024-12-10 by katan