『AYUMI (アユミ)』は1989年にPC-88用として、テクノポリスソフトから発売されました。
異世界ファンタジー系の移動式ADVという、珍しいタイプの作品でしたね。
<概要>
ゲームジャンルは移動式ADVになります。
あらすじ・・・
主人公の浅野亜弓は普通の女子高生。
夏休みの最終日に失恋で塞ぎこんでいるところに、ゴンタというモンスターが現れます。
ゴンタはメシア派遣会社のサラリーモン(人でなくモンスターだから)で、悪い魔王が現れた異世界にメシアを派遣するのが仕事。
亜弓は無事成功したら願いを叶えてもらうとの条件につられ、メシアとして異世界に行くことに…
<感想>
さて、異世界に行った主人公ですが、もちろん何の特技もない普通の女子高生です。
したがって、アニメや漫画のように万事がスムーズにいくわけがありません。
近年の「なろう系」にみられるような異世界転生ものとは全然方向性が異なりますね。
主人公は、お金を稼ぐためにAVモデルになったりと、一筋縄ではいきません。
まぁ、個人的には、これこそアダルトゲームなのであり、貞操の危機のないストーリーよりよっぽどリアリティがあって良いかと思いますね。
とはいえ、本作は決して悲壮感の漂う作品ではなく、基本的には笑える展開もあればシリアスな展開もあるという作品であり、中々に楽しいゲームでした。
若干珍しいのは、ゲームデザインでしょうか。
本作は、マップ上を移動させるタイプのADVになります。
ファンタジーな世界観にグラフィック、移動方法もマップ上を移動することから、どこから見てもRPGっぽいのですが、戦闘や育成はないので、ジャンルとしてはRPGではなく、ADVとなるのでしょう。
グラフィックも豊富でしたし、これでしっかり作っていれば名作にもなったのでしょう。
しかし、あまりこのシステムを有意義に用いたとは思えないわけで、システム的なのろさとこの無意味な移動が相まって、何かテンポが悪く感じてしまいました。
ストーリーのテンポは良かっただけに、それを殺しちゃった感じでしたね。
<総合>
もう少し作りこめれば、大きく化けたのでしょうね。
そのため、総合では名作になりそこねた良作ってところでしょうか。
つくづく惜しいゲームでした。
Last Updated on 2024-05-15 by katan
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