『トワイライトホテル』は1996年にPC98用として、ZyXから発売されました。
館モノとしては珍しい、P&C式ADVでした。
<概要>
ゲームジャンルはポイント&クリック式ADVになります。
あらすじ・・・
秘湯取材の帰り道で嵐にあい、何とか山奥の洋館に辿り着いた主人公。
そこは美人4姉妹が経営するホテルなのですが、実はそこには秘密があって・・・
という感じで始まる館モノになります。
<感想>
本作は同時期にWIN版も出ていますし、後にはリメイク版も出ているのですが、こういう寂れた洋館みたいなのはPC98の16色表示の方が映えるように思うわけで、細かい描きこみも含めて雰囲気は良く出ていたように思います。
ただ96年にもなると、館モノとしてはかなり後発になりますし、何か目新しいものがないと今更感の方が強まってしまいます。
そこで本作の特徴として意図されたものが、ゲームシステムなのでしょう。
本作はP&C式のADVなのですが、このシステムの作品自体少ないのに加え、更に館モノと限定するとより一層限られてきます。
そのため、きちんと作りこんでいれば、これはこれで個性としてありだったのかもしれません。
問題はその作りこみなんですね。
P&C式と言っても、アダルトゲームの場合は画面クリックに終始してしまい、アイテムやインベントリーの使用まで要するものは稀です。
本作はアイテム使用もありますので、構造的には、かなり洋ゲーよりだったりします。
つまり同じようなシステムのアダルトゲームはかなり少ないのですが、逆に洋ゲーにはよく見かけるシステムなんですね。
そして残念なことに洋ゲーの名作と比べると、ADVとしての作りはかなり甘いように感じました。
具体的には、クリック時の反応の少なさや、反応するホットポインントの狭さ、それにアイテム使用の関連性の薄さなどですね。
結果的に面白さよりだるさの方が際立ってしまったわけで、人によっては結構苦痛に感じたのではないでしょうか。
ストーリーも雰囲気こそ良かったものの、イマイチよく分からない感じで、システムと相俟ってあまりはまりきれなかった感じでした。
<評価>
過去の名作と比べると物足りないだけであり、作品としては楽しめましたので、総合でも佳作とします。
ただ、個人的には館モノもP&C式も好きなので、スペック的には私の好みのものが揃っていただけに、期待値があがってしまったのもありますが、ちょっともったいない作品でしたね。
ランク:C(佳作)
Last Updated on 2024-11-13 by katan
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