『いろとりどりのセカイ』は2011年にWIN用として、FAVORITEから発売されました。
独特の塗りが非常に印象的な作品でしたね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・――主人公・鹿野上悠馬は魔法使い。
《自らの生きた時間(思い出) を代償に、他者のいかなる負傷をも治療してしまえる力》 を持っている。
舞台は最果ての港町・風津ヶ浜に建つ少し不思議な学生寮・嵐山荘。
その地下室は繋がりを持っていた。 色鮮やかな異セカイとの繋がりを――
少年はそんなささやかな不思議に包まれながらも、当たり前の日々をまるで夢を見るかのように緩やかに、過ごしていた。
‘不思議な力を与えてくれる魔法使いの少女。
彼女と共に夢の在り処と失ってしまったものの行方を探り’
‘ちょっとだけ素直じゃない幼なじみに、出不精な生活を世話されて’
‘学生寮の二階に住むグウタラなお姉さんと、不思議な世界を旅して回る……’
そんな変わり栄えのしない時間を過ごしていた、ある日のこと。
満月が丸々とオレンジ色に煌く、夜のこと。……空からひとりの少女が降ってきた。
「お願いします、魔法使いさん。どうか私を助けてください」
――そうして動き出す、ぼくらの時間。
吹き抜ける海風が頬を撫で……空からまっしろな羽根が降ってくる。
手と手を繋いで見上げた空に、ぼくらはまた恋することを、誓った――
<感想>
まず、何よりもグラフィックが良かったですね。
原画というよりも、背景を含めた塗りが非常に良かったです。
ちょっと独特なので、好き嫌いは分れそうではあるのですが、個人的には好きです。
この塗りだけで独特の雰囲気と世界観を生み出していると言っても、決して過言ではないのでしょう。
問題は、それ以外の部分でして。
様々な要素のつながりがチグハグだったり、テキストも無駄に冗長だったりします。
本作はボリュームは多いのだけれど、料理だって作る前の材料の時点が一番量が多いですからね。
本作も、そんなイメージであり、きちんと料理して仕上げれば良い味わいになりえたかもしれないけれど、ただ材料をぶっこんだままで終わったような作品でした。
<評価>
テキストも、こだわる人は最初から不満が出そうですが、私自身は絵の魅力から最初は楽しめたんですけどね。
途中でだれて苦痛になってきました。
終盤の印象だけなら凡作以下もありえるのだけれど、このグラフィックは好きなんですよね。
そのため、総合ではギリギリ佳作としておきます。
ランク:C-(佳作)
Last Updated on 2024-12-19 by katan