『とらいあんぐるハート2 ~さざなみ女子寮~』は1999年にWIN用として、JANISから発売されました。
<感想>
ゲームジャンルはマップから移動先を選ぶタイプの行動を伴ったノベルで、内容的には恋愛ものになるのでしょうが、端的に萌えゲーと考えた方が早いでしょう。
舞台は女子寮で、主人公は管理人としてやってくることになります。
時期的に、こういうのが人気を得やすい年代だったんでしょうね。
漫画では『らぶひな』が人気を得始めていた頃でしょうし、ゲームでは他にも『さくら日和』とかもありましたから。
他にも何かあったような気がするのですが、99年は何となく、1年中寮生活をしていたような気にさせられた年でした。
このゲーム、世間での評判は高かったんですよね。
世間での話題性という観点からは、この年を代表するゲームの1つと言えるのでしょう。
しかしながら、個人的な印象はかなり薄かったりします。
いや、決して悪くはないですし、キャラも可愛く普通には楽しめたんですけどね。
良くも悪くも普通の萌えゲーって感じで、格別良いところもなければ格別悪いところもない、そんな空気のような存在だったのです。
ただね、当時の状況をふまえると、本作が一部の人に刺さった理由も分かるのです。
というのも、本作は、前作よりもヒロインの数が増え、総プレイ時間も長かったです。
確か攻略対象は10人を超えていたはず。
98年頃から純愛系の作品が増えだし、時代の流れとしては、ヒロイン数を減らして、そのかわりにストーリー性を高めようとする作品が増えてきました。
また、ストーリー性を高めようとすると、余計なものはそぎ落とした方が良いでしょうから、ボリュームも増やしにくいわけでして。
そうしたストーリー性を高めた純愛系作品を求める人がいる一方で、90年代半ばのPC98後期の頃のゲームのように、ヒロインが一杯いる作品がプレイしたい人もいるのです。
また、萌えを十分に満喫できるよう、些細なエピソードでも良いから一杯いれてもらった方が、その世界にずっと浸れて良いと考える人もいるでしょう。
そういう90年代半ば的な構造の作品が好きで、なおかつ萌えを求めるユーザー層も少なからずいたと思うところ、そういうユーザーの受け皿になったのが、この作品ということなのでしょうね。
<評価>
総合的には佳作ってところでしょうか。
普通には楽しめたしキャラも可愛かったので、元は十分に取れたと思いましたしね。
もっとも、それでも世間の評判には遠く及ばないですし、本質的に私と相性の悪いタイプなのも確かでしょう。
もっとも、上記のように、本作が刺さる層というのもいたわけでして。
もし、まったりとした雰囲気の良い萌えゲーを求めているのならば、もっと楽しむことができるように思いますね。
ランク:C-(佳作)
Last Updated on 2025-01-11 by katan
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