『少女マイノリティ -慰めの愛-』は2016年にWIN用として、pure moreから発売されました。
過去作同様にグラフィックは良く、内容も以前より良くなりましたね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
「誰も知らない貴方にお願い、私をめちゃくちゃにして」
涙を浮かべ、自虐的な笑顔で彼女は言った。
父親の仕事の手伝いのため、少し都会から離れた避暑地として有名な土地に伊達秋人は引越してきたが、ある日の夜彼女と出会い、突然セックスをしてしまう。
まるで自分を傷つけるような彼女のセックスに戸惑いながらも彼は言われた通りにし、一通り終わると彼女は「ありがとう、もう二度と会う事はないわ」と告げ消えてしまった。
どこか悲しげな彼女の表情が忘れられず、町に出歩き探してみても彼女の姿は見つけられなかった。
春の幻かと思っていた頃、秋人はついに仕事を手伝う日がやって来る。
西洋的な屋敷の中で自分の上司だと紹介された片倉凪咲はあの日セックスをした彼女だった。
<グラフィック>
pure moreとしては3作目になりますが、南浜よりこさんがメインの原画の作品としては2作目になります。
そのため、ブランドらしさが出てから2番目の作品という印象が強いですね。
その南浜よりこさんがpure moreで最初に原画を担当した作品、つまり『少女アクティビティ』は女の子の肢体や塗りが最高で、初めてサンプルをみたときは凄くエロいなと、女の子の肢体に関しては最高だなと思ったものでした。
もっとも、実際にゲームをプレイしてみると、全体のバランスとかで少し気になったところもあったので、グラフィック全体として最高とまでは言えなかったのですけどね。
それでも、このエロさと塗りは非常にインパクトがあり、次も期待させるものでもありました。
さて、それをうけての本作なのですが、結論から言ってしまうと、長所も課題も同じなのかなと。
相変わらず女の子の肢体のエロさや塗りは最高であり、でも、バランスにやや課題が残っているという感じでしたから。
したがって、ブランド前作をプレイしている人ならば、本作に対しても同様の感想を抱くように思います。
<感想>
このブランドは、問題はストーリーなんですよね。
『少女アクティビティ』のときは絵は及第点以上だったけれど、ストーリーのせいで残念な出来になってしまいましたから。
その点を踏まえると、今作は進化していたのかなと。
メインヒロインは、アパレルメーカーのデザイナーです。
その設定は、ストーリーという観点からは、必ずしも有効に活かされていたとは言い切れないかもしれません。
しかし、単なる学園ものにしなかったことから、ちょっとした変化により、エロゲのマンネリとは少し離れ、読み進めようという意欲にはつながりました。
また、序盤から中盤にかけては、比較的良かったと思います。
ただ、本作はミドルプライスの作品でして。
もちろん、ミドルプライスでも十分に面白い作品は作れます。
シナリオは長ければ良いってものではないですからね。
しかし本作の場合、序盤から中盤にかけて丁寧に作ってあり、この設定ならこれくらいの終盤が必要と思われるところに、無理やりミドルプライスの枠に押し込んでしまったことから、終盤があっさりと終わってしまいまして。
つまり、全体の大枠がミドルプライスの規模なのに、起承転結の起承転まではフルプライス並の作りなんですね。
だからシワ寄せが後半にきてしまって、結の部分が尻すぼみみたいな感じになってしまったのです。
ライターに最後を書ききる能力がなかった可能性もありますが、もし枠に縛られずに最初の勢いで最後まで仕上がっていたら、少なくとも良作以上の内容になっていたと思うわけでして。
なまじ途中まで面白かっただけに、何とも勿体ない作品だなと思ったものでした。
<評価>
総合としては良い部分も惜しい部分もあり、佳作といったところでしょうか。
もっとも、過去作から良い部分を維持した上で、悪かった部分が改善されてきていますし、今回物足りなかった部分も容易に修正のきくところでもあります。
そういう意味では、次回作は良作以上の可能性も高いのではと、次が今から期待したくなる作品でしたね。
ランク:C(佳作)
Last Updated on 2024-09-05 by katan
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