セブンスクロス

1998

『セブンスクロス』は1998年にDC用として、NECホームエレクトロニクスから発売されました。

最もカニが恐ろしい、カニがトラウマになるゲームでした。

<感想>

ゲームジャンルとしては一応RPGになるのでしょうか。
何とも変則的なゲームではあるのですが、目的としては生命を進化させながら弱肉強食の世界を生き抜き、その星で最強の存在を目指すということになるのでしょう。

具体的にみていきますと、生命の起源は微生物だろってことで、プレイヤーはアメーバの形をしています。
舞台は水辺で、その中を自由に動きまわれるわけですね。
そして他の生物を捕食すると別の生物に進化していくわけで、その進化の過程を楽しむゲームなのです。

最初は水辺だけが舞台なのですが、足が生えれば地上に上がることもできますし、スケール的には結構壮大な作品でした。
こういう発想自体は今でも非常に珍しいものではあるものの、かと言って決して皆無でもなく、それ以前にもあったのでしょう。
しかし、98年というDCが発売されて間もない頃の作品でしたから、グラフィックも非常に良かったです。
その生物になりきる、そして進化の過程を目でも楽しむという意味では、このハードの水準になって、ようやく本当の面白さが分かるようになったように思います。
新ハードを購入する際には、今までの機種では堪能できなかった新しいゲームがやりたいと思うわけで、その要求を満たしたというのは非常に大きかったように思います。

もちろん、単にグラフィックが良かっただけでなく、DNAシートを用いて行われる進化には、事実上無限と言えるくらいのバリエーションがあり、何度でもやり込める内容でした。

ゲームデザインも珍しくてオリジナリティがあり、やりこめる要素も多く、グラフィックも良い。
ここまでだと良いことばかりだし、もっと知名度があっても良さそうなものです。
しかし実際には賛否が分かれマイナーで終わってしまったのは、間違いなく序盤のバランスに問題があったからなのでしょう。

上記のように、プレイヤーはまずアメーバ状で水辺にいます。
それであちこちうろつくわけですが、いきなりカニが襲ってくるんですね。
これが早いのなんのって。
一瞬にして追いつかれ、一瞬にしてゲームオーバーです。
うん、シャア専用ザクに初めて出くわしたときの連邦軍の心境って、こんな感じなのかなと思ったものでした。
大抵のプレイヤーは開始→カニに瞬殺、やり直して開始→少し成長させるも、またもやカニに瞬殺、
やり直して・・・以下ループって感じになると思います。
このカニからいかに逃げとおせるかが序盤のカギなわけで、多くの人をトラウマにさせるくらい、それくらい強烈な存在だったんです。
いや、私自身がトラウマになってるんですけどね・・・
まさに赤い彗星の恐怖って感じです。
関係ないけど音の響きとしては、赤い彗星より真紅の稲妻の方が好きだったりします。
まぁ、ある意味序盤は、カニから逃げるレースゲームと割り切った方が良いかもしれません。
この序盤を乗り切って自由に進化を設計できるようになると、格段に面白さも増していくんですけどね。
そこまでに辿りつくのが大変だったわけで、挫折する人も多かったわけです。
これさえなければもっと評価されてただろうにと思うと、万人に支持されるためには、序盤のバランスって大事なんだなとつくづく思いました。

あとは、ちょっと操作性が悪いというか重いので、気軽にプレイするのには向いてなかった作品でもありました。

そういうわけで序盤のバランスや操作性の悪さで人を選ぶのも確かですが、個人的にはそれ以上にプラス分が勝っていたように思うわけで、一応は名作だと思いますね。
良くも悪くも、とてもインパクトのある印象深い作品でした。

ランク:A-(名作)


セブンスクロス

Last Updated on 2024-12-23 by katan

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