プトリカ 1st.cut:The Reason She Must Perish

2024

『プトリカ 1st.cut:The Reason She Must Perish』は2024年にWIN用として、トトメモリから発売されました。

良くも悪くも、いつものルクルさんと桐葉さんの作品ってところでしょうか。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
選択肢はなく、完全な1本道となります。

あらすじ・・・「――俺は、人間じゃない。悪魔と呼ばれている」
衝撃的な告白から始まるのは、悪魔に育てられた宝石技師の少年レミと、記憶を欠落させた少女ラズリエルの物語である。
彼女はレミの導きに従い、穏やかな生活を送り始めるが、やがて不可解な夢に悩まされる。
夢の中の自分はイルサと呼ばれ、大天使に深い信仰を捧げる献身的な信徒だった。
「お前は嘘を吐いている! 悪魔がいるなどというふりをして!」
人々は魔女の存在を疑い、狂気の裁判が始まってしまう。
冤罪により無実の人々が処刑される中、ついに明かされる少女の狂おしいまでの純愛劇。
「この愛が、禁断と知りながら――」そしてあなたは、真実を知る。

<感想>

トトメモリというと馴染みがないと思いますが、原画が桐葉さんで、シナリオがルクルさんということなので、ウグイスカグラの作品と思えば問題はないでしょう。
これまでの作品がエロゲであったのに対し、本作はsteamで一般向けの作品として発売されています。

エロゲの時はフルプライス作品ということで、ボリュームもそれなりにありました。
しかし本作は、steamで低価格ということもあってか、数時間でクリアできるボリュームになっています。
また、本作は、タイトルからも分かるように、分割作品となっています。
本作単独でも、物語としてはきちんと終わっていますので、読み終えたという満足感を得ることはできますが、全体としてはまだ第1章にすぎないということですね。

ストーリーは悲劇的な純愛物語になります。
エロゲでなくなったことにより、細かいしがらみがなくなったからでしょうか、最初からすんなりとストーリーに入っていけるようになりました。
この点は良かったと思います。

他方で、気になったのは、妙に視点変更が多いことでしょうか。
今年、こういう作品が増えた気がするのは気のせいですかね。
ボリュームが少ない作品なのに、コロコロと何度も視点が変更されるので、どうにも落ち着きません。
もう少し構成のしようがあったと思いますし、ライターの技量に問題があるように思えてしまいます。

演出は、過去作よりも、ちょっと頑張ったようにも思うのですが、ウグイスカグラ時代からのグラフィックの欠点は本作でも相変わらずです。
キャラデザは個人的に好みなんですけどね、ここの作品、一枚絵がアップの構造ばかりなのですよ。
だからそれがどういう場面なのか、全然伝わってこないのです。
いい加減、どうにかしてほしいものです。
なまじキャラデザが好みなだけに、いつもじれったく思ってしまいます。

それから、steamのノベルゲーって、UIが弱い作品が多いです。
その辺りは、日本のエロゲのUIは一日の長があり、優れているわけですから、優れたUIを世界に向けて見せつけてやれば良いのですよ。
それなのに、変なところでsteamの他作品と足並みを揃えた感じで、本作のUIも貧弱です。
なんで、劣化させるのでしょうね。

<評価>

分割前提のこぢんまりした作品であることをふまえても、ストーリーだけなら少なくとも佳作相当の出来だとは思います。
ただ、上記のとおり、何点か気になったところもあるため、総合でも凡作とします。

ランク:D(凡作)

Last Updated on 2025-03-24 by katan

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