『下戸勇者 ~酒は飲まねど酒池肉林!~』は2021年にWIN用として、キャラメルBOX いちご味から発売されました。
嘘屋佐々木酒人さんの4年ぶりの新作であったことからプレイしてみた作品でした。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
魔王のいない世界で、ひとりぼっちの勇者がとった行動とは!?
あるところに、ひとりぼっちで旅を続ける勇者がおりました。
彼は酒が飲めない体質、所謂下戸であったため、しかるべき場所で仲間を募ることもできず、ただ魔王を倒すという信念のみで、長く険しいひとり旅を続けていました。
その身ひとつでたくさんの苦難を乗り越え、いよいよ魔王の城へたどり着いたぼっち勇者。
しかし、彼がそこで見たものは、既に荒れ果て廃墟となった城でした。
万事ひとりでこなさなければいけなかった彼は、何事にも回り道せざるを得なかったため、魔王は他の勇者パーティーに討伐されてしまっていたのです。
人生のすべてを魔王討伐へ捧げていた勇者の信念は、跡形もなく崩れさりました。
心も段々すさんでいきますが、酒に溺れることもできません。
そんなある日、彼は自身の旅路を振り返ることを思い付きました。
『今までできなかったことをやってやろう――』
そう考えた彼は、自分にとって忌むべき場所、街酒場の扉を開けるのでした。
実は彼には、もう一つの目的があったのです。それは――
『どうせなら、女だけでパーティーを組もう。世界を漫遊してやる!』
欲望のままに動く。
これまでの人生を大きく変える決意をした彼は、酒場で初めて‘‘できた’’旅の仲間の「女戦士」を引き連れ、これからはじめる桃色な冒険への一歩を踏み出すのでした。
<感想>
90年代の、それこそPC98時代から、ほぼ毎年のように作品を出し続けていたのが嘘屋佐々木酒人さんでした。
作品間のアタリハズレの落差も激しいのですが、個性的な作品が多いことから、根強いファンもいるように思います。
その嘘屋佐々木酒人さんですが、2017年を最後に、ずっと作品が発売されていませんでした。
HPを見ても、ずっと更新されず、大丈夫なのかこれ・・・と、つい最悪の自体も想像してしまっていただけに、4年ぶりに無事復帰というのは、それだけでも嬉しくなってきます。
というわけで、まずは復帰おめでとう~と言いたくなるのですが、当然のことながら、作品の出来は別問題です。
もっとも、本作にも随所に嘘屋さんらしさはありますので、嘘屋さんのテキストが好きな人であれば、最低限は楽しめるでしょう。
テキストは良かったのですが、問題はそれ以外ですね。
ストーリーというか、世界観というか、これ、ドラクエのパロディ色がかなり強い内容になっています。
ドラクエが大好きな人であれば随所でニヤリとできるのでしょうが、反対にドラクエに興味がない人だと面白みは半減してしまいます。
そして、これが一番肝心なのですが、とにかくシステムが最悪です。
これ、一体何十年前の作品なのでしょうか。
何年前というレベルではありません。
10年前の作品だって、もっとマシでしょう。
どうしてこんなシステムで発売したのか非常に理解に苦しみますし、何よりストレスがたまってしまいました。
嘘屋作品は、アタリハズレが結構激しいですし、一時期は凄く良い作品もあったんですけどね。
直近の数作は、内容がどうのというのではなく、システムやバグが酷いものばかりで、嘘屋さんとは関係ないところで、かなり失敗しています。
本当に残念としか言いようがありません。
<評価>
個人的には基本的に好意的にみていますが、それでも凡作としかいえないでしょう。
嘘屋さんの作品がプレイしたいという人で、システムがどれだけ酷くても気にしないという人ならば、プレイしてみても良いかと思います。
次作にも期待はしますので、次こそ絶対にまともにプレイできるゲームにしてもらいたいです。
ランク:D-(凡作)
Last Updated on 2024-06-18 by katan
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