パソコミック パープルCAT VOL3

1993

『パソコミック パープルCAT VOL3』は1993年にPC98用として、パームツリーソフトから発売されました。

パソコミックと称して登場した、漫画的な表現方法が特徴のシリーズの第3弾になります。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

収録作品は下記のとおり。
・教えてよティーチャー
・バニーにおまかせ
・オードリィ・ミッション
・魔導士シャリィ
・フェアリー・セーバー
・ビザールプリンセス

<感想>

パソコミックとは何なのかについては、『パソコミック パープルCAT VOL1』の方に長めに書いていますので、そちらをご覧ください。
簡単に説明するならば、カラーの漫画を読むような感じのノベルゲーであり、セリフも吹き出しで表示されています。

時々このシリーズを扱うのは、漫画的な見せ方の作品は既に80年代からあり、90年代には本作のような作品があったということ、ノベルゲーもこの当時には既に存在していることを知ってもらいたいからで、私の言いたいことも大体VOL1の方に書かれています。

3作目となる本作の特徴としては、今回は女教師に焦点をあてていることになるでしょうか。
メニュー画面に出てくるマスコットが女教師であることや、本作の紹介のされ方からしても、テーマは女教師になると思います。
ただ、あまりガチに女教師に絞っているわけではなく、バニーとかも出てきますし、むしろファンタジー色が強かったかなと。
そういう意味では、幅広く扱っているとも言えるかもしれません。

良くなった部分としては、収録されているシナリオにもよりますが、選択肢による分岐の数が増え、ゲーム性が増したところでしょうか。
漫画的な見せ方に魅力を感じられる人であれば、1作目から十分楽しめたと思います。
しかし、それならカラー漫画で十分と考える人もいるでしょうし、当時はゲーム性を求める人も多かったですからね。
ノベルゲーとして、分岐で楽しむ要素にも価値を見出す人であれば、その点が強化された本作は、嬉しい進化といえるのでしょう。
また、分岐要素のあるノベルゲーは、特にアダルトゲームにおいては、90年代初期に一度絶滅しかけ、93年に復活し始めたものですので、93年発売の本作は比較的新鮮にプレイすることができました。

また、これもシナリオにより多少の違いはあるのですが、個人的には、全体的にキャラの等身が低くなり、少しアンバランスに感じたり、あまり可愛くない原画だったりで、グラフィック面の満足度が下がりました。
ストーリーやゲーム性がうりのシリーズではないですし、やはりシリーズの生命線はグラフィックだと思いますので、そのグラフィックが退化したように感じられたことから、その分だけ満足度が下がってしまったように思います。

<評価>

シリーズのファンなら満足できる内容だと思いますし、特に女教師好きな人や、ゲーム性の向上を求めていた人ならば、より一層楽しめる内容になったと思います。
したがって、それらの点を重視するならば、おそらくシリーズ過去作よりも良い評価になりうるのでしょう。

他方で、同年に発売された1作目よりインパクトはなくなっていますし、2000円高くなっているという、その価格分の価値を見出せないこと、グラフィックの満足度が下がったこと等から、前作より1ランクダウンのギリギリ佳作としておきます。

ランク:C-(佳作)


Last Updated on 2024-09-24 by katan

コメント

タイトルとURLをコピーしました