『ニュールーマニア ポロリ青春』は2003年にPS2用として、セガから発売されました。
他人の生活を覗き見しつつ、ちょこっとだけ介入してみる。
そんなルーマニアシリーズの第2弾になります。
<感想>
プレイヤーは直接介入することができず、基本的にはただ見ているだけ。
でも、ちょこっとだけその主人公の人生に影響を与え、未来を変えてみる。
そんな神視点から介入するゲームというのは、発想的にはSLGから先に生まれたように思います。
SLGでも十分に面白いのですが、もっとADV的な視点、つまりストーリー性やキャラクター性を楽しみたいとも思ったわけで、そんな時に現れたのが『守り神様』(1999)でした(なお、覗き見るというコンセプトのゲームならそれ以前にもあります)。
そのコンセプトは新しいと思ったし、面白いとも思ったし、何より私好みな路線ではあります。
でも、私としても、新しければ何でも評価するというわけではなく、水準並の面白さもまた最低限のものとして要求するわけです。
だっていくら新しくとも、それが面白さとしてプレイヤーに伝わらなければ、あまり意味がないですからね。
その点、『守り神様』は、介入できる頻度も少なく、後はノベルを見てるだけとの印象も強くなってしまい、それで物足りなく感じてしまったものでした。
その後、DCから発売されたのが、本作の前作にあたる『ROOMMANIA#203』でした。
このゲームはアパートの一室に住み着く神様となって、ネジタイヘイという主人公を見守りつつ、間接的に介入するゲームであり、大枠としては『守り神様』と同様になります。
もっとも、ネジ君は動き回るししゃべるし、何より効果音の使い方が上手いこともあり、聴覚や視覚にうったえることで『守り神様』にあった退屈感を消してくれました。
発想としての新鮮さはやや損なわれたものの、完成度が高まったわけですね。
これはこれで面白かったのですが、ボリュームの少なさや操作性などの面でややマイナスとなり、名作とまでには思えなかったのです。
そこにきてのこの『ニュールーマニア』。
基本的なシステムは前作同様で、新鮮さという観点からはどうしても前作よりも更に失われてしまいます。
しかしボリュームは格段に増えましたし、ゲームとしても洗練されており、人生介入型ADVとして一応の完成を迎えたように思うのです。
完成というのも曖昧な表現ですが、上記のように従前の類似作品は何かしら致命的な欠点もあったのですが、その致命的欠点がなくなったということですね。
例えば、世界遺産でも自然と文化があって、片方で駄目でももう片方で選ばれるってこともありますよね。
初代ルーマニアは独自性部門でのノミネートは難しいので、完成度部門でノミネートしたけどもう一歩足りず、そこでこの作品で完成度部門での選定みたいな、個人的にはそんな印象の作品でした。
まぁ、基本的には強烈な個性を持つ、ネジ君と周囲の人々の滑稽な動作を眺めるゲームですからね。
つまりは完全なるバカゲーなわけで、眺めてニヤニヤできる人には向いているのですが、ノリについていけないと合わない人も出てくるでしょう。
それと上記のように直接操作できるわけではないので、爽快感などを求める人やアクション系が好きな人には、あまり向かないのではないかとも思います。
だからどうしても合わない人がでてくる、人を選ぶタイプのゲームなのでしょうが、ツボにはまればどっぷりはまれるわけで、好きな人はとことん好きになれるタイプのゲームだと思いますね。
ここまで書いてて何ですが、こういうのが楽しめるかには人の意見は参考になりませんので、購入検討している人は一度動画を見ることをオススメします。
ランク:B(良作)
Last Updated on 2025-06-02 by katan
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