『運命線上のφ』は2014年にWIN用として、Lump of Sugarから発売されました。
何かしようという姿勢は好感が持てたのですが、今作は少し練り込みが足りなかったですかね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
太平洋に浮かぶ孤島『信天島(しんてんじま)』
少年は縁あって、その島へと向かっていた。
調べてみたところ、信天島は幻の島と呼ばれ、オカルト的な噂話でしか語られていない。
事実、日本の領地として認められていない、架空の島だ。当然のことながら、権利者も不明。
今は誰が住んでいて、どのような生活が営まれているのかも、不明。
全てが謎に包まれている『信天島』
そんな場所へ少年が向かう理由はただ1つ。自身の素性もまた、謎に包まれていたからである。
信天島に到着した少年は、封燐館と呼ばれる施設に案内された。
館の主とそのメイド、そして自分と同様の客人達。中には自分と同年代の人もいる……
しかも、とびきり可愛い女の子ばかりだという。
「幻の離れ小島に、用途不明の怪しい洋館、ビーチと水着、そしてバカンス。それに加えて美少女ときた」
少年の眼が鋭く光る。「なるほど……これは、事件が起きるな」
<感想>
必要なところに必要なシステムを入れる作品、ゲームデザインからしっかり考える作品。
そのような作品は評価されるべきですが、現在のアダルトゲームでは軽視されてしまっています。
もっとも、一部のブランドでは、単なるノベルに終わらせないように工夫するところもあり、Lump of Sugarもその中の一つになります。
特に、本作の前年に発売された『Magical Charming! 』が良かっただけに、本作にも期待が持てたのです。
しかしながら、結論を先に書いてしまうと、本作は微妙でした。
詳細はサイトでも直接見てもらった方が早いのですが、まずは選択肢を叩き切るというものがあります。
これは、見た目のインパクトはあり、演出的には多少の効果はあったかもですが、ストーリー上必要性があったわけでもなく、ゲーム性が増すわけでもなく、それほど大きなポイントにはならないのかなと。
他にも、調査モードやおさわりモードがあり、ここは直接画面をクリックするモードとなります。
しかし、そのクリックする部分が限られている等、ポイント&クリック式ADVはもちろんのこと、選択式等の中に部分的に混ざっている過去作と比べても、非常に物足りなかったです。
また、本作の場合には、『Magical Charming! 』のように、確かに斬新ではないかもしれないけれど、オブラートに包むことで新鮮さを感じるみたいな、そういう工夫もあまり感じられませんでしたし。
そのため、最大の特徴となるはずだった、ゲームデザイン部分でのプラスは生じなくなります。
ストーリー等は可もなく不可もなくなので、全体としてもいまいち物足りない作品となってしまいました。
<評価>
総合では、凡作としておきます。
いろいろ物足りなさも残る作品でしたが、何かしようとする姿勢は好きなんでね、今後も工夫をした作品を出し続けてほしいものです。
ランク:D(凡作)
Last Updated on 2024-10-22 by katan