あかやあかしやあやかしの

2011

『あかやあかしやあやかしの』は2011年にWIN用として、HaccaWorksから発売されました。

『花帰葬』以来となる新作の同人ゲーであり、今回も雰囲気が良かったですね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・空環市の郊外の山にある神社で生まれ育った少年、由。
ある日、幼友達の黒狐(クロギツネ)に連れられて、冬の大祭りに遊びに行く。
あかあかと燈る提灯、ざわめく人影。
うまれて初めて見る外の世界で、由はふたりの不思議な少年に出会う。
山に戻った由がその事を神社の主のミコトに告げると、ミコトは由にこう言った。
・・・・・・『食事』の準備をするように。

<感想>

本作は、一般的には女性向けの作品とされています。
そのため、プレイしたユーザーの多くは女性だと思います。
大雑把なところだと、BLゲーに分類しているところもあるかもしれません。
確かに、本作は男性主人公であり、攻略対象とされるのも男性になります。
もっとも、せいぜい友情止まりにすぎません。
そもそも、本作は恋愛を描いた作品ではないので、いわゆるBLゲーではないのです。
そうなると普通に女性向けと書くべきなのでしょうが、もっと根本的なところで、本作は男性主人公のストーリー・世界観重視の作品ですので、そもそも女性向けも男性向けもあまり関係ないように思います。
そのため、女性プレイヤーはもちろんのこと、BLゲーも乙女もゲーちょっと合わないなっていう男性プレイヤーも、これなら問題なく普通にいけるでしょう。
BLゲーは全く駄目なんですって人でも少なくとも本作は大丈夫だし、むしろ、男性向け作品の中でも男同士の友情を扱った作品が好きな人とかだと、本作は楽しめる確率が高いと思います。

内容的には伝奇ものとなるのですが、バッドエンドゲーと呼ばれるくらいに、多数あるENDはバッドENDっぽいのばかりですからね。
鬱なダークファンタジーと考えた方が良いでしょう。
もっとも、幸か不幸かストーリー本筋はそれ程濃くないので、絶対にハッピーENDでなきゃ駄目って人以外は大丈夫なのかなと思います。

本作の良いところは、やっぱりグラフィックとサウンドと、そこから伝わってくる抜群の雰囲気なのでしょう。
『花帰葬』の時もそうでしたが、HaccaWorksは、とにかく雰囲気作りが凄く上手いです。

結局のところ、本作は、いわゆる雰囲気ゲーと捉えるのが一番しっくりくると思います。
まぁ、バッドENDだらけなので、癒し系ではなく鬱系の雰囲気ゲーという珍しい方向性ですが。
そう考えると、実は独自性のある希少な作品といえるかもしれません。
いずれにしろ、そういう作品ですので、いくら面白いと言われても合わない人は合わないし、貶す人がいても好きな人は好きな作品なんだと思います。
他の人は知らんけれど、私は好きなんだよね~って言われるタイプの作品なのでしょう。

まぁ、こう書いてしまうと、好み次第だねってなりそうですが、移動場所を選ぶ簡易マップ一つをとってみても、その雰囲気を作るための努力・工夫はなされているわけでして。
好み云々を抜きにしても、きちんと丁寧に作られた作品であり、良く出来ているように思います。

<総合>

個人的には、この雰囲気は凄く好きだったんですけどね。
無駄に攻略が難しかったり、ストーリーの掘り下げが少ないことなどから、総合では佳作としておきます。

とりあえず、画像を見てビビっときたら買いです。
この手の作品を楽しめるか否かで一番頼りになるのは、やっぱり己の感性でしょうから。
例えばライアーソフトのスチパンシリーズのような絵の色使いが好きで、伝奇が好きで鬱ゲーが好きなら、まず間違いないと思いますけどね。

ランク:C(佳作)

あかやあかしやあやかしの
DVDソフトあかやあかしやあやかしの

Last Updated on 2024-05-10 by katan

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