『夏神家に起きたこと』は2021年にWIN用として、VENUSから発売されました。
同サークルとしては、いつもとは少し雰囲気の異なる作品でありつつ、久しぶりに楽しめた作品でした。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
幼少期の事故で嘘が見えるようになった主人公。
学校でも有名な不良である二人組みに自ら近づいた
嘘の多いクラスメート、夏神 桃。
今まで問題のないクラスしか経験のない主人公は、不良のいるクラスの雰囲気の違いに戸惑い、関わらないことが一番安全だと距離を置く。
家族との折り合いが悪く、早く卒業して家を出るために働きたい主人公は、学校を卒業資格を得るために通うだけのものだと思っている。
問題を起こさず、淡々と卒業する為に通うだけ――
しかし、ある行動によって問題に巻き込まれていく……。
<感想>
VENUSの作品はもともと凄く好きだったのですが、分割形式になった最近の作品はあまり好きではありませんでした。
そのため、このサークルへの興味もなくなっていったのですが、本作は毛色が異なるようだったので、プレイしてみました。
このサークルの作品はどれもNTRであり、本作も広い意味ではそうなるのでしょう。
ゲームデザインとしても、まずは主人公視点で始まり、主人公視点が終わると、その後にヒロインの桃視点が始まるということで、近年のNTRゲーとしては標準的なものになります。
本作の主人公は、他人の嘘が見えるという設定になっています。
テキスト上では、嘘の部分が赤字で表示されます。
この設定が上手く活かされていれば良かったのですが、残念ながら、あまり上手く活かされていませんでした。
それもあってか、本作における主人公の印象は薄く、主人公の物語というより、むしろ本作は桃の物語であり、桃が実質的な主人公である印象を受けました。
そのため、本来であれば主人公の言動で、作品に対する印象が決まりうるところ、
本作に関しては、桃がどう動き、その時何を考えていたかが、作品全体の印象につながりやすくなっています。
問題はその桃の行動の是非なのですが、賛否の別れやすい内容かなと思いました。
上記の内容から、ストーリーに関しては可もなく不可もないのですが、このサークルは、やっぱり絵の使い方が上手いですね。
本作でも過去作より進化していますし、グラフィックだけでも十分に満足できてしまう出来です。
<評価>
ストーリーだけなら佳作程度かなと思いますが、グラフィックが良かったことで満足度が高まったこともあり、総合ではギリギリ良作としておきます。
桃の母親が可愛いなと思っていたら、どうやら次作は、その母親のストーリーとかのようなので、ちょっと期待しておきます。
ランク:B-(良作)
Last Updated on 2024-08-06 by katan
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