思い出抱えてアイにコイ!!

2021

『思い出抱えてアイにコイ!!』は、2021年にWIN用として、HOOKSOFTから発売されました。

子ども時代から描いた幼馴染ものということで注目した作品でしたね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
春、出会いと別れの季節──
酒匂晴輝が、小学3年生への進級を目前に控えていた春休み。
近所に住む栗山兎鞠、所沢郁、洲郷千聖たちとの仲良しグループに、新たな仲間が加わった。隣町に住む春ノ原優菜、引っ越してきた西渓静流。
しかし皮肉にもそれと同じタイミングで、晴輝は遠くへ引っ越すことが決まっており、大好きな仲間たちとも離れ離れになってしまう。
──そしてそれから何年も経った春。父の海外赴任を機に、大学受験を控えた晴輝は単身日本に残ることを決める。
その結果、親戚の持つアパートで生活することになるが……。
実はそのアパート、かつて仲良しグループと別れた街にあるという。
こうして再び重なり合う晴輝とヒロインたちとの運命のレール。
昔のように受け入れてくれるのか心配もあったが、久しぶりにもかかわらず、晴輝の帰還をみんな喜び、温かく迎えてくれる。
ただ晴輝にとっては‘‘女の子’’から、綺麗な大人の‘‘女性’’へと成長したヒロインたちに囲まれると、嬉しさ以上に照れくささでいっぱいになってしまうほど。
思い出話で昔を振り返りつつ、空白の期間を埋めることでお互いを知り、幼なじみからもっと特別な関係へ……。

<感想>

HOOKSOFTは、デビュー作を発売日に購入したくらいですし、その後もゲームデザインに配慮し続けているブランドですので、今でも気になることが多いです。
特にノベルゲーの割合が増えれば増えるほど、このようなブランドの存在価値は大きくなってきます。
本作も、ゲームデザイン的には特に目新しいところはないものの、単なるノベルゲームとは異なったデザインを取り入れていますし、ブランドで初めて口パクを入れたということで、それで注目しました。

実際、プレイしてみても、口パクのような地味に労力のかかる部分にも手間をかけるあたり、基本的には好印象といえます。
ただ、この口パク、立ち絵の部分だけなわけでして。
今の時代に長所といえるためには、最低限、一枚絵でも目パチや口パクを入れないと駄目だと思います。
その点は、少し残念でした。

本作のヒロインは幼馴染ばかりであり、ゲームは主人公の子供時代から始まります。
この子供時代のパートが、結構長く描かれています。
そのため、これは幼馴染好きにはたまらない作品になるのではと、期待したくなってきます。
ただ、プレイを続けていると、必ずしもそうでないわけでして。
序盤の幼馴染パートが、後半のストーリーで、いまいち活かされていないように感じました。
ヒロイン自体は可愛いと思うのですが、どうも各要素が上手くリンクしていないように思います。

本作は、主人公への好感度が最初から高いハーレムゲーと捉えて、その好感度の高さの理由が幼馴染である程度に考えた方が良いのかもしれません。

そういう意味ではハーレムゲー好きには良いとも思えますが、そうなると今度は、ハーレムゲーでこのゲームデザインというのは、これで合っているのかという疑問がわいてきます。
本作にいまいちハマりきれず、違和感がつきまとってしまうのは、こうしたところに理由があるのかもしれません。

<評価>

タイトルも印象的ですし、丁寧に作られていますし、基本的には良い作品だと思います。
ただ、個々の要素は良いにもかかわらず、どこかしら違和感のつきまとう作品でもあり、少し残念な作品でもありましたね。
そのため、総合でも佳作としておきます。

ランク:C(佳作)

駿河屋

DL版

Last Updated on 2024-08-06 by katan

タイトルとURLをコピーしました