無垢 弐

1997

『無垢 弐』は1997年にWIN用として、にくきゅうから発売されました。

八宝備仁さんの描くキャラの可愛さと、着せ替えシステムの新鮮さが印象的な作品でした。

<概要>

ゲームジャンルは調教SLGになります。

WIN用の調教SLGはまだ数が少なかったことから、当時としては『虜』シリーズの次くらいの位置にあったかと思います。

あらすじ・・・
ブティックを経営し、金も、裏社会の権力もある主人公。
そんなある日、魅惑的な娘に出会い、目をつけ、秘書に命じた。
「あの娘を手に入れろ…」

<感想>

内容は借金を抱えたヒロインが、主人公のところにメイドとしてやってくるというもので、基本はメイド調教SLGになります。
メイド調教ものが流行った時期もありましたが、その一端を担った作品と言えるでしょうね。

もっとも、調教SLGは数あれど、ファッションデザイナーが主人公ということで、他とはちょっと違った雰囲気を有していた作品でもありました。
ストーリーそのものが優れていたというのではないのですが、ちょっと毛色が異なるということもあり、今も昔もわりと新鮮な印象でプレイできるように思います。

まぁSLGですからね、だらだらとストーリーを押し付けられるより、他とはちょっと違うネタは用意したよ、そこから如何に物語を作り上げていくのか、それは全てあなた次第だよっていうのも、ある意味正しいように思いますけどね。
特に本作の場合、特に期間というものがありません。
ヒロインは借金を返済するために来ているのであり、主人公は定期的に活動に応じて給料を支払います。
つまり借金相当額をヒロインに一気にあげれば、その時点でゲームは終わりになってしまうということですね。
物語を続けるのも終わらせるのもプレイヤー次第なわけで、最近の読まされ押し付けられるノベルとは、設計思想が全く異なるゲームだと思います。

その潔さには好感を抱くものの、ストーリー部分や調教SLGとしてのゲーム部分自体は、普通には楽しめるものの、特別秀でているとまでは言えなかったでしょう。
ここまでなら良作ってところでしょうね。

それでは、この作品が他の調教SLGと大きく違っていた部分は何なのか。
つまり、作品の特徴は何かというと、それは「着せ替えシステム」にあると思います。
これは、主人公がファッションデザイナーであることから、時間の合間に、3人いるヒロインらに、デザインを教えることができるのです。
そしてヒロインらのデッサン力が上昇すると、新たな衣装やアイテムを作ることができるようになり、その衣装やアイテムを使用したHができるわけですね。

発想的には大げさなわけでなく、ヒロインの服装を様々なものに変えることが出来たってだけなんですけど、早いもの勝ちってやつですね。
とにかく種類は一杯ありましたし、いろんな服を着せてHさせるのが新鮮で楽しかったです。
これで着せ替えに目覚めたとか、コスプレHに目覚めた人もいたのではないでしょうか。

そういや同人等でKISSを使った着せ替えとか流行った時期もありましたよね。
最近の若い人は知らないかもですが、私は結構好きでした。
またそういう着せ替えが増えて欲しいのですけどね、今はちょっと下火で寂しいですね。

<評価>

WIN用の調教SLG自体が希少だった上に、独自のシステムですからね。
しかも、八宝備仁さんの描くキャラは可愛いかったですし。
windows初期の名作と言って良いように思います。

にくきゅうは90年代後半、つまりWIN初期に活動していたブランドでした。
単なるゲーム性ではなく、あくまでもアダルトゲームとしてのゲーム性にこだわった、非常に希少なブランドでしたので、ここにはもう少し頑張って欲しかったなと、今更ながらに残念に思いますね。

ランク:A-(名作)



ダウンロード版
無垢 弐

Last Updated on 2024-12-04 by katan

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