『メルクリウスプリティ』は1994年にPC98用として、NECアベニューから発売されました。
個人的には、WIN版で國府田マリ子さんの声が付くってことで、結構話題になっていたことが印象深いです。
<感想>
ゲームは錬金術師としてホムンクルスを育てるというもので、典型的な育成SLGと言えるでしょうね。
本作が発売された当時って、育成SLGが増えていった時期でした。
今では考えられないような状況ですが、あの当時は年に何本も育成SLGをプレイしていたように思います。
そんな中にあっては、仮に出来自体が良かったとしても、よほど何かしら目立つ要素がないとインパクトが残りにくいのです。
そのため、本作に対しても、よく練られているけれど、地味な良作だなって印象が強かったですね。
とはいえ、強烈な長所こそないものの、ゲーム全体が統一された感じでとても雰囲気は良かったです。
育成SLGに興味のない人まで惹きつけるような訴求力はないかもしれませんが、育成SLGが好きな人向けというか、通好みな作品だったように思います。
通好みっぽいという意味では、例えばイベントの濃さが挙げられるでしょうか。
イベントの数は少ないし条件も分かりにくかったりで、確かに初心者が楽しみやすいという構造ではありません。
しかし、そのイベント自体はメッセージ性の強いものが多かったり、かなり深いものがあったりします。
EDなんかもストーリー的に良く練られていたりして、こういう部分は育成SLGの中でも最高ランクだったのではないでしょうか。
イベントを回収しながらEDに辿りつくのは困難だけれど、辿りついた人は皆感動する。
分かりにくいけど分かる人にはわかる、そんな感じの作品なんですよね。
<評価>
まぁ、上記の部分は長所と言えるので、その点をもって名作と判断しても良いかもしれませんが、如何せん94年は名作が多い年でしたからね。
同じ年には『ときめきメモリアル』なんかもありましたが、ときメモのインパクトに比べると霞んじゃうのも確かでして。
私は結構初心者っぽくインパクト重視な面もありますので、個人的にはやっぱり地味な良作って評価は変わらないかと思います。
とりあえず、本作をあえてやってくれとは思いません。
ちょこちょこっとやってすぐに面白さの分かる類のゲームではなく、EDまで行かないと意味のないゲームですから。
でも、育成SLGが好きで時間がある人は、腰を据えて本作をじっくりしゃぶりつくすことが出来たならば、きっといろんな発見が出来て満足できるのではないでしょうか。
ランク:B(良作)
Last Updated on 2024-10-05 by katan
コメント
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これ、好きでした。真EDより、「傍観者」や「死神」のEDに泣いたものです。
NEC系のゲームは自分的には壺にはまる作品が多いのです。
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良いEDが一杯ありましたよね~
NEC系は個性的なのが多いから、自分も結構持っている気がします。