『水都幻想 Venice fantastica』は2003年にWIN用として、wingから発売されました。
原画:灰村キヨタカ、シナリオ:穂高望という組み合わせであり、上手くはまれば凄い作品になっていたかもしれませんね。
今となっては、資料的価値の方が強いでしょうか。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・主人公は貴族の家の一人息子。
政略結婚の強要に納得できず家を飛び出してしまう。
行くあてのない主人公は、仕方なく父親と付き合いの長い男爵夫人のもとを訪れる。
ことの成り行きを聞いた男爵夫人は、ここで3人の娘たちに女性としての教育をするのであれば、ここで暮らしても構わないと持ちかけた。
しかし、男爵夫人の言う教育とは、娼婦の館で働かせる娘に性的な教育をするというものだった…。
<感想>
原画の灰村キヨタカさんは、今ではすっかり有名になっていますよね。
私も大好きで、特に御坂美琴は今でも大のお気に入りヒロインです。
もっとも、『とある魔術の禁書目録』は2004年の発売ですから、本作が発売された2003年の段階では、一般的には、まだそれほど知られていなかったと思います。
とはいえ、濃いエロゲユーザーに限定して言うならば、原画の名前は知らなかったとしても、『Hotel ergriffen』の原画の人と言えば、あぁ、あの人の作品かと、何となく分かったのではないでしょうか。
『Hotel ergriffen』は、とにかくグラフィックのインパクトが凄かったので、作品自体はプレイしていなくても、雑誌とかで見かけただけで、もう一発で覚えてしまうような作品でしたからね。
まぁ、美少女ゲームとして正解なのかは疑問が残りますが。。。
『Hotel ergriffen』は油絵のような雰囲気のグラフィックであったのに対し、本作はパステル系の色使いをしたグラフィックになっており、後の灰村キヨタカさんの絵柄っぽい雰囲気になっています。
『Hotel ergriffen』の絵柄も唯一無二の特徴があるので否定はしませんが、エロゲという前提で考えるならば、本作の方が適しているのでしょうね。
キャラデザに関しては、まだ少し貧弱なところもあり、あまり良くなかったように思いますが、構図等も含めて、CG全体としては、結構良かったように思います。
シナリオは穂高望さんで、inspireからいくつも作品を出しています。
あまり絵やゲーム性等を活かさない作りのものが多く、ゲーム全体としては疑問が残る作品が多いのですが、そのテキストだけに限ってみるならば、刺さる人には刺さるようで、万人受けしないからか知名度は上がらないものの、一部に熱狂的なファンもいるライターさんです。
このライターの良さと、灰村キヨタカさんの良い部分が組み合わされば、もしかしたら凄い作品を作ることもできたと思うんですよね。
ただ、本作に関していうならば、あまり上手くいかなかったのかなと。
本作は、ノベルゲーではあるのですが、ヒロインの誰と話をするかという選択が頻繁に出てきます。
そのくせ、選択しても用がないと言われたりで、ゲームをプレイしていて、とてもテンポが悪いのです。
ヴェネツィアを舞台としていることもあり、雰囲気は良いのですが、結局は雰囲気だけ良かったという印象で終わってしまいました。
<評価>
雰囲気は良かったけれど、作品としてはテンポが悪く、いまいちなところが多かったため、総合でも凡作とします。
本作に関していえば、今となっては作品の出来そのものよりも、原画:灰村キヨタカ、シナリオ:穂高望という部分に対し、どれだけ価値を見出せるのかという、その資料的価値の方が高いように思いますね。
Last Updated on 2025-08-29 by katan



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