MERI+DIA ~マリアディアナ~

2005

『MERI+DIA ~マリアディアナ~』は2005年にWIN用として、ぱれっとから発売されました。

演出面が凝っている作品ではありましたね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・主人公は、宇宙開発を進める組織のエージェント。
新たに彼に下った指令は、少女(シータ)の暗殺と、その研究を破壊せよ、というものだった。
──その少女は我々の過ちであった。
彼に下された命令は、敬愛する上司の最後の遺言だ。
そう、上司は何者かによって殺されてしまう。
夢であった宇宙事業を成し遂げようとして、途中で倒れてしまう上司…それは彼の心からの友であったのだ。
──ガチッ。スライドを引き、弾を薬室に込める。
向けた銃口の先で、少女が淡い瞳を輝かせた時、彼は過去を振り返った。
無用ならば切り捨てる。目前の少女と自分、そして殺された友の姿が二重三重と重なった。
少女に向ける銃口が自然と逸れてしまう。だが、守れなかった友の最後が彼を責め立てる。
そうだ。この少女を葬ってこその復讐なのだ。彼は覚悟を決め、引き金を引いた。
そして時を同じくして…三人の女賞金稼ぎ達がとある男の手配書へと目を通していた。
それは企業の研究所を破壊した賞金首…橘卓巳というSランクの手配書だった。
彼女達は莫大な賞金を掴み取るために、その男の痕跡を追う。
それが新たな時代にもたらされた影とも知らずに…

<感想>

近未来を舞台にしつつ、バトルシーンも多い、何ていうかぶっちゃけ少年漫画のようなノリの作品ですね。
戦う少女たちがいることと、演出の影響もあって、勢いでそれなりに楽しめた感じかなと。
普通には楽しめたのですが、書きだすと不満の方が多くなりそうだし、あまり語りたくなるって作品でもないので、ストーリーに関する細かい部分は他所に任せます。

本作で特徴と言えるのは、一つ目は交渉システムですね。
これは選択肢を3つ続けて、それらをつなげて一つの文章にしていくもので、決して斬新というものでもないのでしょうが、少しでも考える要素がある分だけ、普通のノベルよりは楽しめたのかなと思います。

二つ目として、本作はグラフィックの上下が黒帯でカットされています。
映画的な雰囲気を出すことを狙ったのかもしれませんが、本作が基本的にノベルゲーであることに変わりありません。
時々こういうレイアウトの作品もありますが、例えば介入できるムービーであるインタラクティブムービーならば、映画のような雰囲気を意識させつつ、そこに映画にはないプラスアルファがあると示すことは、効果的なのだと思います。
しかし本作は、もっさりとした動作やシステムの影響もあって、手動で動かす不便な映画みたいな、映画の劣化版という印象にもなりかねないわけでして。
ノベルゲーで意味なく映画を意識させることには、意義を感じられません。
本作だけでなく他の上下黒帯使用のノベルゲーにしても、私の評価が低い場合は、ここでマイナスしていることが多いです。
少なくとも作品ごとの雰囲気に合わせた模様なり何なりにした方が、単なる黒帯より楽しめると思うのですが。

三つ目として、本作はエフェクトも凝っていて、立ち絵も良く動きます。
ただ、それで演出が良いかと聞かれると、必ずしもそうでもないわけでして。
本作では立ち絵で後姿も用意していて、それでキャラ同士を向い合せたり、また複数の立ち絵を多重に重ねて奥行を表現したり、確かに凝っているのですよ。
画面全体を使おうとか、平面な画面で奥行きも表現しようとした姿勢は、基本的には好むところです。
しかし、正面と後姿を無駄に何度もクルクル変えたり、画面の脇からス~っとキャラが現れたり消えたりして、良く動いてはいるのだけれど、極端かつ意味を感じられない動きによって、まるで人形劇を見ているような気になってしまうわけで。
特に必要性もないけれど、とにかくキャラを動かせるだけ動かしてみましたって感じで、何とも与えられたオモチャで遊びたくて仕方ない子供のようなチープさが、せっかくの技術をも殺してしまっているように見えました。

物語上、キャラとキャラが向かいあって話す場面にしても、通常のエロゲみたいに全員が横並びでこっちを見ているのも、確かに不自然ではあります。
しかし、キャラ同士が向かい合っているからといって、立ち絵の上に後姿の立ち絵を重ねられても、見ている方は楽しくないのです。
まぁ、三姉妹の長女はパンツルックなので、ウホっいいケツwって最初はお尻ばかり見て楽しんでましたが、それしか良いことがないのです。
本作の場合だったら、横向きとか斜めの立ち絵を用意して組み合わせた方が、格段に良くなったと思います。

他には、テキスト欄にないセリフを、ガヤとかでしゃべっていたりする場面もあります。
これも少ないながらも他所のADVで既に用いられていましたが、一般ゲーの能動的に動けるADVでは効果的と思えた作品はありましたが、読むだけのノベルゲーではあまり効果的とも思えず、本作でも同様の感想を持っただけでした。

<評価>

本作は、凝ってはいるのです。
こういうこともやってます、ああいうこともやってますと、箇条書きで挙げれば何だか凄そうに見える作品なのだけれど、必要性を感じられなかったりだとか、単純に使い方が上手くないわけでして。
まぁそれでも他では見られない新しい要素ならば、私なんかは斬新さの方を優先して褒めていたのでしょうが、本作で用いられている要素は既に他のゲームでもあるものばかりですから、使い方・成熟性・完成度というものを上げないとプラスに感じられないのです。
あまりプラスに感じられないのに、エフェクト過剰による重さなどのマイナス面はしっかりあるものだから、これだったら逆にない方が良かったのではと思った人もいたと思います。
ただ技術を駆使すれば演出が良いというわけではないのであり、もう少し使い方を工夫すれば格段に化ける可能性もあっただけに、何とも勿体ない作品でもありました。

世界観構築に必死過ぎてキャラごとのストーリーが薄いとか、書き出すと欠点ばかり出てきてしまうのですが、いろいろやろうとした姿勢と、何だかよう分らん勢いで楽しめたこともあり、っていうか私なんかは戦う少女がいるだけでも楽しめちゃうタイプなので、辛口になってしまったわりには、決して嫌いではない作品でもありました。

ランク:C(佳作)

MERI+DIA(マリアディアナ)

Last Updated on 2026-02-14 by katan

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