車輪の国、向日葵の少女

2005

『車輪の国、向日葵の少女』は2005年にWIN用として、あかべぇそふとつぅから発売されました。
まぁ、この手の内容は、初めて触れたら高評価になりやすいでしょうね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・初夏。罪を犯すと『特別な義務』を負わされる社会。
罪人を更正指導する『特別高等人』という職業を目指す主人公・森田賢一は、その最終試験のため、とある田舎町を訪れる。
『1日が12時間しかない』、『大人になれない』などといった義務を負う少女たちと学園生活を送るが、『恋愛できない』少女・夏咲と出会ってから、賢一の歯車が狂いだす。
崖にひっそりと建てられた自分の墓、山間洞窟に隠された父親の遺産が次々と賢一を追い詰めた。
贖罪を問われることになった男が見た、車輪の国の真実とは……。

<感想>

本作のライターは、同人の『夏の燈火』のライターではあるので、ごく一部の同人ゲーマニアは把握していたかもしれませんが、一般的には、まだ本作の発売当時、無名でした。
したがって、本作もまた、発売当時は知名度が低く、発売初週は全然売れていませんでした。
ただ、某エロスケの異様な動きにより、それで私も逆に興味を持った作品でした。

もう10年以上前の話になるので、知らない人向けに補足しますと、上記のとおり本作は、注目度が低くて発売初週は全然売れてなかったのですよ。
それなのに、どんな大作よりも多く、最初からバンバン高得点の票が入っていたのです。
プレイした人が皆高得点をつけるとかではなくて、票の入り具合が目に見えて異常だったのです。
そのため、当初は自演だと騒がれていました。
その後、あれは自演ではなく、凶信者の仕業との見解が強くなっていったようですが、いずれにしろ、誰かによって調整された高評価だったのです。
あのサイトは、以前からいろいろあって、元々信頼できないところだったのですが、それでも当初は初心者向けゲームを探すには便利だったんですけどね。
露骨な自演だか工作だかがなされるようになり、インチキが目に見えて顕著になりだしたのは、本作からだったように思います。
したがって、私には、あぁもうこのサイトは駄目だなと印象付けさせた作品でもありました。

さて、経緯は何であれ、作品の内容は別物ですからね。
結果的に面白ければそれで良いのかもしれません。
実際、テキストは、それなりに良かったと思います。
だから本作も、ヒューマンドラマとしてならOKなのかもしれません。

しかし、設定が駄目すぎます。
法や制度や社会についていろいろ書いてますが、そこが致命的に駄目でした。
少しでも法律の世界を学んだ人には看過できないでしょう。
間違いなく、核地雷級です。
どうでもいい部分の設定ならともかく、本作では根幹をなす部分でもあるだけに、ここが駄目だと全体として駄目でしょう。
文章は上手いけれど世間のことはまるで知らない、そんな中学生が書いたかのような作品でした。

どうせ書くなら、もう少し勉強してから書いて欲しいものです。
小説だって世間の評判が良さげでも、設定が嘘だらけだと権威のある賞を取ることは出来ません。
ラノベしか読んでない人とかだと、そこら辺を看過しがちですが、ライターは現実を認識するところからやり直した方が良いでしょう。
好きなストーリーなんてのは本来は人それぞれなのですが、この作品に関しては、それ以前の問題です。

それと、本作を高評価する人がいるのは、あのトリックを使ったからですが、いい加減あのトリックが使われてるから絶賛って流れ、どうにかならないものかと思ってしまいます。。
この手のジャンルに初めて触れた人には衝撃的でしょうし、その気持ちも分からなくはないのですが、自分が知らなかったから評価するというのは、おかしいです。
したがって本作は、二重の意味で中学生以下が対象の作品でした(18歳以上じゃなきゃ買えないんだけどね)。

<総合>

作品外での印象の悪さが目立ちますが、作品としてもイマイチなんでしょうね。
中学生であるとか、本を読んでこなかった大学生とかなら、騙されて楽しめるのかもしれませんけれど、そうでない人にはすすめる気になれないですね。
また、この作品を褒める人がいたとしても、あぁこの人はあまり経験してこなかったのだなとの推定が働き、意見が参考にならないなと思ってしまいますね。

ランク:E(駄作)

車輪の国、向日葵の少女

Last Updated on 2024-04-18 by katan

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