『Silver Moon』は1999年にWIN用として、R.A.N.Softwareから発売されました。
まぁ、この当時らしい作品ではあるんだろうなと。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
英才教育機関「Geo」で育った主人公。
彼はエリートへの人生を蹴り、ごく普通の学園生活を送る。
体調の異変に気付く主人公は、突然現れたV.Aと名乗る女に15日間後に死が訪れると宣告される。
彼を取り巻く4人の少女、「Geo」の秘密、謎の女V.Aの思惑。
残された15日間をどのように生きぬくのか!?
<感想>
ぶっちゃけて言うならば、葉鍵系の色が強く表れた作品。
特に『ONE』の色が濃く、2番煎じな作品です。
何々の影響を受けた~というような表現はあまり好きではないので、普段は使うこともないのですけどね。
本作はライター自身も言っているのだから、気にすることもないのかな。。。
R.A.N.Softwareの作品は当時、シナリオ重視とか言う人に受けたように思うのだけれど、ストーリーにオリジナリティはないし、テキストや展開にも違和感を覚えるところがあったりで、個人的には楽しめなかったですね。
あぁ、この辺は今になっては少し補足が必要なのかな。
私はストーリーは重視するけれど、テキストは重視しません。
だからストーリーにオリジナリティのない本作は、楽しめなかったということですね。
ただ、90年代後半に現れたシナリオ重視と称する人たちは、同じようなストーリーでも、このライターのテキストの良さで格段に良くなるのだと、そしてノベルゲーではテキスト=シナリオとなることから、そのシナリオ=テキストが良ければ褒めるという感じでした。
そもそも葉のビジュアルノベルの最初の方の作品とか、某小説の影響をモロに受けていたり、盗作騒ぎで部分的に削除になったりと、それでストーリーが良いなんて、お世辞でも言えないでしょう。
でも、あのライターのテキストが良かったということで、シナリオ重視って人にはうけたんですよね。
少なくとも私が調べた範囲では、90年代半ばの頃のシナリオ重視って言葉は、そういう使われ方をしていました。
もっとも、近年ではアダルトゲームユーザーの中では、ストーリーに対しシナリオという表現が用いられ、シナリオに対しテキストという表現が用いられることが定着し、シナリオ重視ですと言う人の話をよく聞いてみると、あなたはシナリオ重視ではなくストーリー重視だよねという、そんなケースが多々あるわけでして。
同じ言葉であっても、最初の元々の意味合いと今の使われ方とでは、どうしても私には異なって見えるのです。
したがって、ストーリーに対しシナリオをいう言葉を当てはめて考えている人だと、おそらく90年代半ば頃のシナリオ重視という概念を誤解してしまい、仮に古い資料を調べても勘違いして理解したつもりになるのだと思います。
<評価>
よくある2番煎じな作品であり、私とは非常に相性の悪い作品でした。
こういうのが増えつつ、一定の評価をする人も増えたから、次第にオマージュやパロしか書けないライターが、異常にもてはやされたりするんだよなと、ゼロ年代前半のライターに不満を持つ者としては思ったりもするわけで。
ただ、あくまで価値観の問題でもありますので、逆に葉鍵系作品を崇拝する人で、かつ同じ路線を求める人ならば楽しめるように思いますね。
ランク:E(駄作)

Last Updated on 2025-01-15 by katan