『ラブesエム』は2013年にWIN用として、Noesisから発売されました。
珈琲貴族さんの絵でSMということで期待したのですが・・・
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
商品紹介による、あらすじは以下の通り。
優しくて頼りになる姉、水城彩華。年下の幼馴染でいまは恋人の、鶴谷あやか。
俺は二人と仲良く楽しく暮らしながら――満たされていなかった。
俺には打ち明けられない趣味があったからだ。
SMが、したい。こっそりと隠れて専用の道具を買い、眺め、触れる。
そうして衝動を晴らしていたある日、気付いた。
誰かが俺の部屋に入り、その秘密に近付いたことに。
「……罠でも張ってみるか」誰に見つかったのかを、俺は暴き出す。
そして俺達の、アブノーマルな付き合いが始まった。
<ストーリー>
あらすじだけを見ると、どうしてもSMに注目しがちなのですが、SMを通しての3人の関係性とか恋愛の方が中心といった作品ですね。
決してSMだけに注目した作品ではないですし、そのSMもソフトSMですので、激しいプレイやシチュはありません。
精神的なものであったり、小道具中心のプレイになっています。
学生らしい等身大のSMとも言えるのですが、激しいプレイを求める人には物足りなく感じるでしょう。
もっとも、激しいプレイがないとはいえ、SMに対するこだわりは伝わってきますので、上っ面だけ激しいような見かけだけの作品よりはずっと良いでしょう。
そう意味では、SM系の入門作としては良いのかなと思ったりも。
個人的にも部分的なこだわりには好感が持てるのですが、全体にSMの占める比重が少ないこともあり、結果として薄味に感じられ、あまり印象に残らないものとなってしまいました。
また3者間の関係や恋愛方面なのですが、こちらも丁寧であり基本的に悪くはありません。
しかし、やや中途半端なところがあり、フルプライスの同系統の作品と比べると、地味に見えてしまいます。
総じて、どこが致命的に悪いというわけでもないのだけれど、
終わってみると印象に残らない作品でした。
<グラフィック>
基本CG枚数は32枚。
価格からすれば相当な量と言えるでしょう。
メガネにショートと、2人しかいないヒロインの属性選びに多少の疑問はあるものの、それでも可愛いと思わされてしまうほどに、珈琲貴族さんが持つ実力の高さは健在です。
しかし本人の素の能力が、そのままゲームに反映されるとは限りません。
今回はSMということで、SMならSMで要求されるものが出てきます。
本作は地のキャラの可愛さはあるものの、SMを活かした絵とは思えないわけでして。
その点で、いつもよりも辛めに見えてしまいます。
それと、テキスト欄の透過率は何とかならないものかと。
絵が画面全体を使用した構図になっていて、場合によっては画面下部に顔が配置されるCGもあります。
しかし、その下4分の1程を常に不透明なテキスト欄で覆ってしまっているので、テキストを進めながらCGを見ることができません。
この作品にどういう人が興味を示すのか。
圧倒的大多数は珈琲貴族さんの絵ではないでしょうか。
一番のウリである、一番の特徴になる部分を隠してどうするのかと。
プログラムでテキスト欄を半透明にできないのであれば、原画の方を合わせて描くべきでしょうに。
いずれにしても、せっかくの良い部分が台無しであり、トータルで考えればグラフィックのポイントは、それほどない感じです。
<評価>
本来長所となりうる所がなりきれず、全体として特徴の薄い地味な印象の作品となってしまいました。
そのため凡作としておきますが、テキスト欄の透過率を調整するだけでも佳作扱いでしたし、いろいろ勿体無い作品でもありました。
ランク:D-(凡作)
Last Updated on 2024-11-04 by katan
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