『殺しのドレス2』は1989年にPC88用として、フェアリーテールから発売されました。
「いきなりベッドシーンから…!」
パッケージに書かれた文字に偽りはありませんでした。
<感想>
前作から反省したんですかね~、これは。
というのも、前作はストーリーの優れたADVで、エロさではなくその有する雰囲気や内容でアダルト向けな作品でした。
この、内容が大人向けというのは、実は逆の意味も含まれていまして。
つまり内容が大人向けだからアダルトっだけで、エロいシーンというのがほとんどなかったわけですね。
濃厚なストーリーを求める人には前作は良かったのですが、エロゲだからエロをって求める人には、前作は物足りない作品だったわけです。
それを反省して、今作ではこういうあおり文句になったのでしょう。
そういうわけでいきなりベッドシーンから始まる今作ですが、ストーリーの傾向的にも前作と趣を異にします。
前作は一般人の、しかも自分の身近で起きた殺人事件だったわけですが、今作の主人公は探偵です。
最初に偽装結婚を依頼されるのですが、その依頼者である女性が殺されてしまい、そこから事件は国際犯罪組織へとつながっていき、スケール的にも大きなものとなっていくのです。
個人的な好みを言いますと、こういうスケールの大きい作品の方が好きです。
しかし、スケールの大きな作品というものは、それ相応のボリュームや内容が求められるように思います。
そうでないと必要な分量が描ききれないですから。
今作は設定面のスケールこそ大きくなったものの、残念ながら内容があまり伴っていなかったんですよね。
いや、十分に面白かったし及第点以上ではあるのですが、スケールのわりにこじんまりとしているために、どうしても物足りなく感じ、前作より劣って見えてしまうのです。
確かに前作よりHシーンは増えたのですが、普通のコマンド選択式のADVという本作のゲームジャンルも含めて、今作ならではの特徴というものは乏しかったように思います。
<評価>
総合では普通に楽しめはしたのですが、前作ほどのインパクトがない点、及び明確な特徴が乏しい点などから、良作くらいなのかなと思います。
まぁ、このシリーズは結構好きなシリーズなんですけどね。
内容としては一番インパクトが薄いのに、パッケージのインパクトは一番強いということで、妙な印象深さのあるゲームでしたね。
Last Updated on 2025-05-09 by katan
コメント
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アダルトゲームと美少女ゲームってプレイする層が全然違いますよね。18禁区分が出来た後の時代から遡ってどっちもエロゲーと一括りにされましたけど
オタク文化と絡めてエロゲの歴史を語る人は、基本マンガ絵の美少女が出てくる美少女ゲームしか扱いませんからね。こういうアダルトなゲームには触れていないことが多いですね
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基本的には美少女ゲームもアダルトゲームもエロゲも一緒なんですけどね。
一番幅広い概念になりうるアダルトゲームという言葉が個人的には好きでしたし、本作のような作品は、まさにアダルトゲームという言葉が相応しいのでしょうが、こういう作品は今はなくなってしまいましたね。
また、オタク文化と絡めてエロゲを把握しようとする人は、こういう作品をとらえられないので、偏った主張ばかりになってしまうのでしょう。