S.P.Q.R ~古代ローマ・罪深き者たちの記録~

1997

『S.P.Q.R ~古代ローマ・罪深き者たちの記録~』は1997年にWIN用として、ゲームバンクから発売されました。

古代ローマを題材にしたMYST系のADVになります。

<概要>

オリジナルは1996年発売の『S.P.Q.R. The Empire’s Darkest Hour』で、本作はその日本語版ということになります。
開発はCyberSites、販売はGT Interactiveでした。

ゲームジャンルはMYST系のADV、或いはインタラクティブムービーになります。
元々オンライン構想があったとかで、後でいう『URU』みたいな感じだったのでしょうか?
実際になされていたとかいう噂も聞きましたが、もし本当なら結構凄いようにも思うわけで。
まぁ、ちょっとオリジナル版の詳細はわからないのですが、とりあえず日本語版は完全オフラインのゲームでした。

<感想>

さて、内容はタイトルで予想つく人もいるかと思いますが、舞台は古代ローマ帝国です。
帝国の滅亡をたくらむ人を探し出し、その陰謀を阻止するというものですね。

もっとも、MYST系の作品ですので、テキストで細かいストーリーを追うというものではなく、グラフィックやサウンドを中心としながら、その世界観を肌で感じるタイプのゲームと言えるでしょう。

そうなってくるとゲームの出来はグラフィックと直結してくるのですが、実際の遺跡をもとにして描かれたCGは緻密で美しく、見ているだけでローマ帝国にいるかのようでした。

凝っているという意味ではゲームとしても良く出来ていましたし、何よりローマの世界を綺麗なグラフィックで堪能したい、或いはそこに自分がいるかのような感覚を得たいという人にとっては、この作品は十分に期待に応えるだけの魅力を有していたように思います。

もっとも、その一方で、難易度は結構高かったですし、それ以上に操作性の悪さが目立ったようにも思うわけでして。
表面的にはかなり魅力的な作品なのですが、操作性や難易度によってテンポが損なわれることにより、思ったほどにははまれなかったように思います。

ローマということでプラス補正の働きそうな人も多いでしょうが、その点を抜きに純粋なMYST系として考えると、ゲームとしては普通だったかもしれませんね。
当時はMYST系ADVの全盛時代で秀逸な作品も多かったということも含めると、なかなか名作と言いきれる人もいないかなと思います。

<評価>

総合としては、私のようにそこそこローマ時代が好きなら良作、特に興味がないなら佳作と言ったところでしょうね。
逆に大好きな人なら、もっと好きになれるかもしれません。

何か国内ではほとんど情報の得られない作品ですが、勿体無いですね。
きっとこういうのが好きな人もいると思いますし、もっと知られていても良い作品だと思うんですけどね。

ランク:B(良作)

Last Updated on 2024-12-03 by katan

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