『GINKA』は2023年にWIN用として、Frontwingから発売されました。
シナリオに紺野アスタさん、原画にゆさのさんという、『ATRI ―My Dear Moments―』のコンビによる新作ということで注目された作品でした。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
幼なじみの少女・銀花は、夏祭りの夜、“神隠し”にあって消えてしまった。
あれから5年。青羽流星は、フェリーに揺られ、ふらりとひめ島へ帰ってきた。
確かめたかった。銀花はあれから、どうなってしまったのか?
もしかしたら、何事もなかったように家へ帰っていて、島の高校に通いながら普通に暮らしているんじゃないか……。
そんな淡い期待は裏切られる。あの夜からずっと、銀花は行方知れずのまま。
失意に沈み、再び島を離れようとする流星だったが、そこで不思議な再会をする。
目の前に現れたのは、あの頃の姿のままの少女――ギンカ。
「おかえりなさい」自分の名前さえ忘れてしまったギンカ。
覚えているのは“リュウセイ”の名前と、彼を好きだという恋心だけ。
今までどこにいたのか?なぜ、幼い姿のままなのか?
おだやかに時間の流れる小さな島で、“神隠し”から帰ってきた幼なじみの少女と過ごす、おとぎ話のような夏休み。
<感想>
紺野アスタさんの新作ですね。
『ATRI』路線なのか、それとも『あの日の旅人、ふれあう未来』路線なのか。
後者なら嬉しいのだが、原画からすると、おそらく前者路線なのか、今回はFrontwingからの発売ということで、ワンチャン後者もあるのかとか考えながらプレイし始めた作品でしたね。
結論からいうと、前者の『ATRI』路線でした。。。
『ATRI』は、バランスの取れた作品だとは思うのですが、2番煎じというか、終始既視感が伴い、個人的には得るものがなかったし、結局キャラの可愛さありきの作品なわけで、あまり好きではありませんでした。
まぁ、オタ受けするだろうなとは思いましたし、アニメ化もされて知名度も高まったでしょうけどね。
本作は、大雑把にいうと『ATRI』路線の作品ではあるのですが、ベースが伝奇であることから、正確にはストーリージャンルからして異なります。
その点はきちんと把握しておくべきでしょうね。
それにしても、これ、売れる作品を作ろうとして、欲張っちゃいましたかね。
キャラの魅力を前面に押し出しつつも、伝奇にバトルにと、人気要素をいろいろ詰め込んでしまった感じなんですよね。
もちろん、相応のボリュームでしっかり掘り下げて書いてくれれば、全然問題はないのでしょう。
しかし、ミドルプライス作品くらいの規模の中に、あれもこれもと無理やり押し込んだ感じがして、結果として、どうにも消化不良のような印象を受けました。
この企画をどうしてもやりたいのであれば、フルプライス作品で出すべきだったと思います。
紺野アスタさんは、これまでにも何本もゲームのシナリオを手がけてきています。
個人的な印象になりますが、この方、題材を絞って、現実路線の物語で、キャラ同士の関係性を丁寧に描いた時に、本領を発揮するように思うわけでして。
そうなると本作は、様々な題材が混ざりつつ、ファンタジー路線の物語で、伝奇部分の説明やバトル描写等のためにキャラ同士の掛け合い等が減ってしまったということで、ある意味真逆なんですよね。
したがって私は、今回は得意でない分野で勝負してしまったように思うのです。
<評価>
ED曲は良かったですし、佳作扱いでも良いかなとも思いましたが、あえてプレイする必要はなかったかなということで、総合では凡作とします。
今回は、紺野アスタさんの得意でない土俵で勝負してしまった、その結果、紺野アスタさんの良いところが消されてしまったように感じてしまい、とても残念でした。
力のあるライターだけに、次は期待したいものですね。
ランク:D(凡作)
Last Updated on 2024-11-24 by katan
コメント
katanさん、こんばんは。
先日、コメントで教えてくださった『ガンダム タクティクス』が無事に届きました。
説明書をめくっていると、MSの種類は少ないですがマイナーな機体が多いですし、ゲーム画面を見ていても面白そうです。
兄は『ギレンの野望』の大ファンでSLG好きで、この作品にも興味を持ったようなので、私がプレイ後した後に貸してみようと思います。
話は変わりますが紺野アスタさんの作品は『ATRI』しかプレイしていないのですが、『あの日の旅人、ふれあう未来』に興味を持ち購入しました。
katanさんの記事でこの作品は、『空と海が、ふれあう彼方』をプレイしていた方がより楽しめるとありました。
いきなり、『あの日の旅人、ふれあう未来』をプレイすると、作品の評価にまで関わってくる問題点とかあるんでしょうか。
あと、これはまたお願いなのですが、2005年発売の『CANDY GIRL』の記事を公開して頂くことはできますでしょうか。
もし、可能であれば、かなり異色作と思いまして、読み直したく思います。
ご無理のようであれば、大丈夫です。
また先程、ネットを見ていて知ったのですが、オレンジロードの合本版のkindle版が、全巻で55円で買えるそうです。
katanさんはKindle版もすでに購入されているかなとも思いましたが、一応伝えておきたくて。
私は、コミックはずっと所持しているのですが、愛蔵版は引っ越しの際になくしてしまったので、今回購入しました。(ちなみにkindle版は愛蔵版の様です)
愛蔵版で追加されたエピソードは私は、あまり必要だと思っていなくてコミック版が好きなのですが、本も耐久性があるので、将来のことを考え電子書籍版も購入するに至りました。
>メガドラさん
『空と海が、ふれあう彼方』は、プレイしていると、世界観に若干の膨らみがでて、より楽しめるかなという程度ですので、特にプレイしていなくても、『あの日の旅人、ふれあう未来』の評価にはほとんど関係ないでしょう。
むしろ紺野アスタさんのかかわった作品で最も有名なのは『この大空に、翼をひろげて』だと思うので、1本追加してプレイするなら、『この大空に、翼をひろげて』をプレイすべきかなと思いますね。
フルプライス作品でボリュームもありますし。
『CANDY GIRL』は了解です。
今週中には公開できるようにしたいと思います。
オレンジロードは、電子書籍版だとカラー版もあるので、カラー版を紙媒体で欲しいですね~
前回の『あかやあかしやあやかしの』に続き、『CANDY GIRL』の記事の公開のリクエストに応えて頂きありがとうございました。