『ドラゴンナイト』は1989年にPC88用として、エルフから発売されたRPGです。
ドラゴンナイトシリーズの1作目であるとともに、大ヒットしアダルトゲームのRPGの普及に大きな貢献をした作品でしたね。
<概要>
ドラゴンナイトシリーズに関しては、おそらく名作である4のイメージが強すぎて、4しか知らない人も結構いるかと思います。
そこで、4との比較の視点から説明してみますと、4はSRPGでしたが、1~3まではRPGでした。
4はカケルが主人公でしたが、1~3はカケルの父親であるヤマトタケルが主人公になります。
4は単体でも名作であることに間違いはないのですが、1~3とやってきた人には更に思い入れが深まったのも確かでしょう。
<感想>
さて、本作に関しては、とにかく売れたソフトだね~ってのが、私の率直な感想でしょうか。
確かあの当時のPCの普及率の中、10万本以上売れたんでしたっけか。
単純に売れた本数自体も、今の観点からも凄かったと言えるのでしょうが、PCを持っている人が今と比べ物にならないくらい少ない時代でしたので、それを加味すると余計にも化け物ソフトだったんだなって思えてきます。
ただ、それだけ売れたのなら中身も化け物だったのかと言うと、必ずしもそうでもないんですよね。
ストーリーにしてもシステムにしても、今だったら間違いなく駄目だしされてしまうレベルだし、当時としても物足りないレベルだったと思います。
そもそもエルフって、ADV作りは非常に上手いのですが、私にはどうも、RPG作りはあまり得意でないようにみえます。
98時代は東のエルフに西のアリスと言われていましたが、私のイメージでは、当時はRPGに関してはアリスに分があって、SLGとADVはエルフに分があるって感じなんですよね。
(WIN時代のアリスはまた別なので、あくまでも98時代までの話です。)
かように、作品の出来自体はそれ程でもなかったわけですが、じゃあ何が理由で売れたかと言うと、やっぱり可愛いキャラとCGの存在があったからなんでしょうね。
アダルトゲームのRPGの名作と言うと、真っ先に『カオスエンジェルズ』の存在が挙げられます。
『カオスエンジェルズ』はゲーム性の面では非常に優れた作品でしたが、可愛いヒロインなんてものはいなかったですからね。
可愛いヒロイン、しかも見た目だけではなく、個性をもった一人のキャラとしてのヒロインのいるアダルトRPGというのは、おそらく本作以前にはなく、それだけに本作は存在自体に非常に価値があったのです。
私が普段使用している4色ボールペンは「ラミー2000」ですが、文房具マニアの多くが4色ボールペンでは結局これに落ち着いています。
万年筆とかだと個々人の好みで分かれるのですが、4色ボールペンで高級な物となると、現状ではそれ1択という状況なのです。
同じことが、本作にも当てはまるように思います。
面白いRPGやゲーム性の高いRPGは他にも一杯あるし、可愛いキャラのいるゲームも他にある。
でも、魅力的なヒロインを擁したアダルトなRPGとなると、当時はこれ1択だったのです。
<評価>
おそらく今やってもまず楽しめないと思うけれども、ゲームの評価は発売当時の基準ですべきもの。
いろいろ足りない面も多かった作品ですが、魅力的な内面を有したヒロインのいるアダルトRPGという、オンリーワンとしての価値ということで、やっぱり名作だったんだよなって思いますね。
Last Updated on 2025-05-10 by katan
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