『TWILIGHT ZONE4 特別編』は1990年にPC88用として、グレイトから発売されました。
トワイライトゾーンシリーズの4作目で、今作は2DタイプのRPGになります。
<概要>
ゲームジャンルはRPGになります。
トワイライトゾーンシリーズの4作目なのですが、サブタイトルに特別編とあるように前作との直接のつながりはありません。
今作だけでのプレイも問題ないでしょう。
大雑把なあらすじとしては、地球が異星人により侵略されます。
各国政府の主力軍隊が壊滅し、現状は民間組織による僅かな抵抗のみ。
当初は劣勢を極めていたものの、異星人達は全て女であること、そして男の精液をかけると消滅することが判明。
そこで武器を男に持ち替え、異星人達に挑むことになります。
<前置き>
とかく80年代のRPGというと、ネット上では『カオスエンジェルズ』だの、あるいは『ドラゴンナイト』の名が挙がりがちなのですが、当事のプレイヤーにとって最も馴染みやすいのは、案外毎年出ている作品の方ではないでしょうか。
例えば私なんかはドラクエやFFで育った世代なので、後発のテイルズシリーズよりもFFとかの方が愛着も馴染みもあります。
しかしPS以降の世代、特にPS2以降になってからは、FFやDQは何年かに一度忘れた頃にしか発売されないし、そのたまに発売された1本が自分に合わなかった場合、更に印象は薄くなり、あまり思い入れは生まれないでしょう。
逆にテイルズシリーズは毎年のように発売されていますので、今のユーザーにとって何かしらの思い入れが生まれやすいのは、テイルズシリーズではないでしょうか。
そもそもFFやDQだって、80年代は毎年のように発売されていましたからね。
毎年FFやDQの新作をプレイしていたという事実、期間を開けずにコンスタントに続いていたってのは、
リアルタイムのユーザーにとっては、深い思い入れにもつながる大きな要素ではないでしょうか。
そういう意味では、このトワイライトゾーンシリーズは、90年の本作の時点で既に4作目です。
90年にはドラゴンナイト2やランス2が発売されますが、これらと比べると単純に言えば倍です。
エルフやアリスが今日も続いているのとは異なり、グレイトはゲームを作らなくなってからかなり経ちます。
だから今日においてグレイト作品を待ち続けるユーザーはいないでしょうし、ファンを見かける機会も少なくなるのも仕方ないのでしょう。
だからドラナイやランスより話題になることも現在では少ないのでしょうが、現在話題になりやすいか否かは、作品の出来や当時のインパクトとは必ずしもイコールにはならないのです。
私はドラナイやランスの方が好きだったのですが、当然私と異なる立場・見方を持ったグレイトファンだっていたわけで、だからこそシリーズも続いたのでしょう。
でもグレイトが作品を作らなくなり、ファンも去っていったことで、年々知名度が下がっていくと。
馬鹿の1つ覚えでカオスエンジェルズやドラナイにばっかり焦点を当てるのではなく、たまにはこういう作品から過去を振り返ってみるのも良いと思うのですけどね。
<感想>
というわけで本作の内容なのですが、前作までが3DタイプのRPGだったのに対し、今作では2DのフィールドタイプのRPGになっています。
ゲーム機では一番オーソドックスなスタイルかもしれませんが、アダルトゲームのRPGでは3Dタイプの方が主流でした。
2Dのフィールドタイプが増え始めるのは90年頃からで、90年発売の本作はその中の1本となります。
戦闘は最大4人パーティのコマンド選択式であり、これだけだと普通に見えてしまうかもしれません。
まぁアダルトゲームのRPGではパーティ戦闘すら導入してないのも多々あり、この時期ならパーティ戦闘というだけでも及第点以上になるでしょうけどね。
本作では女の子を追いかけて飛びつき、服を剥ぎ取る行為がアニメで表現され、そこから戦闘に入ります。
戦闘は自身の精液が通常攻撃になりますし、他にも縛るなどアダルトゲームらしいコマンドを駆使することになります。
この辺はシリーズ過去作の特徴を受け継いだ感じですね。
基本的にはドラクエ風に敵と向かい合っているのですが、画面上部に行動がアニメーションで表示されますので、サイドビューのFF的な視覚効果も得られます。
そのため全体としては、当時のFFとDQを足したような印象になるでしょうか。
とにかく風変わりなデザインでした。
敵も108体の女の子がいて、これも十分と言えるでしょう。
ただ、難易度が結構高くて、人によってはバランスが悪く感じるのかなと。
<評価>
設定から分かるように、基本的にバカゲーに近い作品です。
グラフィックにおいて一枚絵の質を上げるのか、それとも動きを重視するのかは、ある意味永遠のテーマでもあるのでしょう。
一時期は動きよりも一枚絵の質を重視する傾向があり、その観点からは90年で言えば『ドラゴンナイト2』であるとか、『イルミナ』や『キサナ』といった作品になるのでしょう。
キャラの存在感で言えば『ランス2』辺りでしょうか。
でも、最近は差分の多さや立ち絵の豊富さのように、「動き」を重視する傾向も強いですよね。
もしその観点で90年のRPGを振り返るのであれば、あるいは設定の独自性を重視するのであれば、個人的には本作が一番ではないのかなとも思います。
私は本作を良作としていますが、その時々で名作と言われやすい傾向の作品は異なるのであり、今の傾向から振り返れば、意外と今支持されやすいのは本作なのかなと、そんな風に思うんですよね。
ランク:B-(良作)
Last Updated on 2025-02-07 by katan
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