ディスクワールド

1996

『ディスクワールド』は1996年にPS用として、メディアエンターテイメントから発売されました。

オリジナルは『Discworld』という同名タイトルで、1995年にPsygnosisから発売されており、本作はその日本語移植版になりますね。

<概要>

ゲームジャンルはポイント&クリック式ADVになります。

もともと『ディスクワールド』は、リー・プラチェット作のベストセラー小説でして。
本作はそのディスクワールドのゲーム版となります。
日本でも、とびとびで翻訳がなされているそうですし、国内のファンも結構いるのかもしれませんが、私は読んだことがないので詳しくは知りません。

<感想>

さて、まずシステムから入りますが、ゲームジャンルとしては、ポイント&クリック式のADVになります。
加えてグラフィックはカートゥーンタイプですので、つまりはアニメを用いたタイプですね。
したがって、大雑把な傾向としては、海外のADVに多い『モンキーアイランド』タイプのゲームとなります。

このゲームのことを知ったのは、海外のサイトで絶賛されていたからで、一体どういうゲームなんだと凄く気になったんですよね。

実際にプレイして、そのグラフィックの作り込みには驚かされました。
あぁ~これは向こうで絶賛されるのも分かるよなと、そう思えるゲームではあるんですよね。

ただ、これは本作に限ったことではないのですが、家庭用ゲーム機にP&C式のADVは合わないのです。
確かに個人的には一番好きな形式ではあるのですが、このシステムはPCだから活きるのであり、ゲーム機だとテンポが悪くなりがちで楽しみきれないのですよ。

そこら辺のやりにくさはどうしても避けられないのですが、それに加えてこれまたPCゲーのゲーム機への移植物にありがちですが、とにかく動作が鈍かったです。
このシステムに鈍さが加わったことで、更にだるくなってしまったんですね。
オリジナルの英語版は評判が良いので、おそらく日本語移植版特有の問題なのでしょう。
同じことはPS2の『ブロークンソード』などにも言えましたから。

さらに加えるならば、これはゲーム自体は悪くないのですが、洋ゲーってことで難易度が高いです。
ADVだとちょっと難しいとすぐにクソゲーよばわりする人も多いだけに、どうしても世間ではうけにくい路線でしょうね。

また、本作はフルボイスは良いものの、その代わりにテキストがありませんでした。
オリジナルがどういう仕様になっていたのか気になるところですが、この頃の一般向けのWIN用のADVって、フルボイスである代わりにテキストがなくなった物も多いのです。
そういう時代的な面も考慮すれば、元から音声だけだったというのも普通にありえそうです。
ここはあくまで個人的な感想ですが、テキストなしの音声だけという構造はあまり好きではないです。
テキストがあっても読み飛ばしてバックログに頼りがちな人だと、こういう仕様のゲームはきついでしょうね。
まぁこういうゲームに慣らされたから、私はバックログに一切頼らないプレイスタイルになったのかもしれませんが。
とりあえず時代的にこの手の仕様も少なからず見かけたので、テキストがないからとの理由でマイナスとはならないですけどね。
主観的な面だけに限れば、心証はあまり良くないってだけで。

でも私の心証はどうであれ、このシステムに動きの鈍さに高難易度にテキストなしでは、あまり世間うけはしないでしょうね。
ライトユーザーの多かった当初のPSだと、尚更そうでしょう。
96年のPSのADVって、出来が良くてもとことんマイナーなものが多いですしね。
ADVはPSとSSが登場したての頃は結構数が増えましたが、どちらかというとSSの方が活発でしたからね。
ADVだけが目当てのようなコアなADVファンはサターンを選んだでしょうし、そういう意味ではサターン向けのゲームだったのでしょう。
そう考えると、この時期にこういうADVをPSで出すというのは、
出来関係なしにマイナーになるべくしてなったということなのでしょう。
※なお、本作は半年後にサターン版も発売されています。

<評価>

グラフィックとか世界観とか見所もあるので、総合ではギリギリ良作としておきます。
もちろん、ファンならもっと楽しめるのでしょう。
まぁ、あくまでも今回はPSの移植版の話ですので、これを評判の良いPC版でやっていれば、感想ももと良い方に変わっていたかもしれませんね。
そういう意味では、若干心残りのある作品でもありました。

ランク:B-(良作)

Last Updated on 2024-11-15 by katan

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