『デリンジャー』は1989年にPC88用として、クレストから発売されました。
中藤美希ちゃんが可愛い作品でした。
<概要>
クレストと言うと、今では、あまりピンとこない人も多いかと思いますが、これは天午後シリーズで有名なジャストの、新ブランドの1つでした。
ジャストが「中藤美希」というアイドルキャラをデビューさせるために、新たにこのブランドを作ったのです。
ちなみに、美希ちゃんは13歳の人気美少女モデルという設定で、本作の後には『夜の天使たち ~私鉄沿線殺人事件~』にも出てきます。
そちらでは19歳で人気アイドルとなっており、成長した中藤美希の姿を見ることが出来ます。
また、本作と『夜の天使たち ~私鉄沿線殺人事件~』の間をつなぐ作品として、『メイキング・オブ・Miki』が予定されていました。
こちらは『デリンジャー』以後、美希ちゃんが歌手デビューするまでを描いた、プロモーション用ソフトとなるはずだったそうです。
もっとも、結局はお蔵入りになってしまいました。
画面も幾つか出ていただけに、発売中止は残念でしたね。
さて、少し中身に入っていきますと、本作は、主人公の下に1枚の封書が届くところから始まります。
その封書に、美希ちゃんが拘束されていると書かれていることから、事情が分からないながらも私立探偵の主人公が捜査に乗り出すことになります。
ゲームジャンルはコマンド選択式ADVで、一応最後に分岐があるので、マルチエンド形式でした。
物語のジャンル的には、ハードボイルド風の推理物ってことになるのでしょうか。
<感想>
システムもテンポ良く進む分あっさり気味だし、ストーリーもそれに輪をかけてアッサリしていました。
そのため、内容だけでいえば、大した作品でもないでしょうね。
でも、とにかく美希ちゃんが可愛かったんですよね。
13歳ヒロインってのもツボです。
今のエロゲならありえない設定ですからね。
本作は一般作扱いではありますが、それは単に、当時はまだ区分けがなかっただけのこと。
したがって、脱ぐシーンもきちんとあります。
まぁ、唐突だったり妄想だったりと、ツッコミどころはありますが、脱いだシーンがあるってことが重要なのですw
そんなわけで、今風に言えばキャラ萌えのおかげで十分に楽しめました。
それもあって、ランク的には良作ってことにしてあります。
とはいえ、上記から分かるようにプラス点はグラフィックとキャラ、マイナス点はゲーム性とストーリーです。
肝心とも言える部分が弱いこともあるので、プレイ前には過度の期待は禁物でしょうね。
それと、今ならこういうゲームはせいぜい佳作止まりなのですが、良作としたのは今と状況が異なるからです。
今ならヒロインを作るのは当たり前であり、当たり前のことをされても大した評価になりません。
しかし、87年頃までのアダルトゲームの女性は、単なるHの対象でしかなく、個性や人格を持った「ヒロイン」ではありませんでした。
88年には一部のブランドで、そのようなヒロインを作り始めています。
だから本作は、ヒロインがいるとの理由だけで名作になることもないのですが、それでもまだ珍しかったことから、ギリギリだけど良作にはなるだろと判断したってことですね。
ちなみに、タイトル名となったデリンジャーは、銃の名前であり、これは作品内にも出てきます。
当初はセマァリンが使われていたので、タイトル名もセマァリンにする予定だったそうです。
Last Updated on 2025-05-10 by katan
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