『大航海時代3 Costa del Sol』は1996年に光栄から、WIN用として発売されたSLGです。
リコエイションゲーム大航海時代シリーズの3作目にして、圧倒的自由度を有し、シリーズの中でも個人的に最も好きな作品でした。
<概要>
ゲームジャンルはSLGになります。
商品紹介・・・時は中世、大航海時代
あなたは航海者となり、未知なる大海へと漕ぎ出します
・冒険の魅力を存分に味わえる、自由度の高いゲームシステム。
・船出への第一歩は自分で切り開く「プレゼン」システム。
・志を息子に託す?!冒険の夢は子供たちの代へ。
・ロマンを秘めた都市や遺跡、地理と歴史をリアルに再現!
<感想>
コーエーの出していたゲームの中に、リコエイションゲームと名づけられたゲームがありました。
その一つに、いわゆる大航海時代シリーズがあります。
1は1990年の発売。
当時のゲームとしては、信じられないくらいの自由度をほこりました。
2は1993年の発売。
1の自由度をベースに、複数の主人公を用意し、その主人公ごとの物語性を大幅に強化させてきました。
そして1996年に発売されたのが、この3なのです。
この3作目、端的に言えばシステム重視になります。
2で人気を得た物語性はほとんどカット。
2がRPG寄りだったのに対し、3は純粋なSLGっぽくなっています。
評判の良かった前作から、よくここまでの方針転換に踏み切れたものです。
自由度ってのは、物語性が強くなればなるほど、どうしても制限されてしまうものです。
3はある意味原点回帰の作品であり、徹底的に自由度にこだわったと言っていいでしょう。
もちろん、これまでの1や2も自由度は高かったですよ。
でも、大航海時代ってのは未知の世界に乗り出すわけですから、その未知の世界に挑むワクワクやドキドキが大事なはずなのに、プレイヤーは世界地図や有名な遺跡とか既に分かってるんですよね。
だからそこに行けば何があるか事前に分かっちゃってるんです。
これでは当時の大航海時代に生きた人たちの喜びや苦しみなんてものは、とてもじゃないけど感じることはできないでしょう。
そこを改良したのが3だったのです。
もし仮に何かを発見しても、それが何であるかの見当がついてないと、発見したかすら分からないですよね。
例えば私が新種の昆虫を見たとしても、そもそもそれが新種なのかすら判断つきませんもん。
だから目に入っても素通りしてしまうでしょう。
新種だと理解して捕獲するには、見つけるられるという知識が必要なのです。
そのため、大航海時代3では、ただ見つけただけでは駄目なんです。
事前に調べておかなければなりません。
そのために文献にあたったり噂話を聞いたりするわけですが、プレイヤーは当然ながら自国語しか分かりません。
他国の言葉は読めないし、分からないのです。
そこで、その言葉を学習するのか通訳を雇うか否かを、判断する必要が出てきます。
理想は自分で覚えることだけど、人生は有限です。
とてもじゃないけれど、悠長に覚えてる時間なんてありませんからね。
言葉だけではありません。
大航海時代なのだから、船での冒険になります。
その船旅には、多くの人材と作業が必要となります。
どこまでを自分が担当し、どこまでを雇った人に任せるのか。
考えるべき事は山ほどあります。
いざ航海に出発しても、どう進路をとるか補給はどうするか等決めることは多いし。
また、本作からは陸地に上陸することもできるようになりました。
それにより行動の範囲は非常に増えましたし、目的も増えました。
今作では冒険家として名をあげてもよし、商人として商売に精を出してもよし、軍人として他国を侵攻してもよしと、何でもありなんです。
どのように生きるのかは、まさに貴方次第。
もっとも、時間は刻一刻と進んでいきます。
ボヤボヤしていたら他の冒険家に先を越されたり、場合によっては史実に従って国自体が滅んだりも・・・
ここら辺は今作は特に史実に忠実だったりしますからね。
RPG=役割を演じるゲームとするならば、このゲームこそが、本当の意味での役割を演じるゲームだったのではないでしょうかね。
その点に関しては私は、『大航海時代3』こそが最高の作品だと思うのであります。
また大航海時代という性格上、各地でいろんな物を発見しますよね。
その発見したものがCGで表現されいまして。
今となってはショボイCGに見えてしまうかもしれないけれど、当時(96年)としては綺麗でした。
だから次はどんなCGを見られるのかなって、それが楽しみでもありましたね。
<評価>
総合でも文句なしに名作といえるでしょう。
とにかく、自由度の高さは随一。
その反面、初心者へのフォローがあまりありません。
そのため、いきなり本作に手を出すと、何をやって良いのか全く分からないかもしれませんね。
それ故、いくら本作が面白いからと言っても、大航海時代シリーズの初プレイという観点からは、個人的には本作を薦めようとは全く思いません。
いや、むしろ絶対に避けるべきとすら思います。
ストーリー重視の2か4をプレイして、システム的に慣れた反面、少し物足りなくなってきたかなって人が、やり込みを求める場合に初めて、その真価を発揮するのではないでしょうか。
『大航海時代2』は皆が90点くらいつける作品だったでしょう。
でも、この3は、上記のような性格から30点~100点といった風に、プレイヤーの経験等によって大きく分かれる気がします。
システムさえ理解できれば、本当に最高なんですけどね。
大航海時代シリーズを極める場合には、最終的に本作にいきつくという点で、本作こそがシリーズ最高傑作だと考えますし。
個人的には、非常に大好きな作品でした。
ランク:AA(傑作)
Last Updated on 2024-11-19 by katan
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