Dahlia -ダーリア-

2014

『Dahlia -ダーリア-』は2014年にWIN用として、Cosmillicaから発売されました。

サークルとしては4作目になり、翌年の名作良作につながる作品でしたね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
選択肢はなく、一本道の作品でした。

あらすじ・・・
王妃は、去った。皇帝は、死んだ。
そして、街には――迷信だけが、残された。
舞台は19世紀末。花の都パリの娼館へ売られてきた少女、エミリー。
マルセイユの富裕な家に産まれ育った少女は、家の没落と共に両親と引き離された。
娼館では少女を身請けした女将、イヴォンヌが迎えてくれる。
明日から仕事だというその傍らには、白髪の美少女『ダーリア』がいた。
その純粋さと美しさに、エミリーは同性ながら淡い恋心を抱く。
客は招待のみの会員制、しかも高名で富裕な老人だけが入会を赦されるという娼館。
それは知る人ぞ知る「処女の添い寝」を承る館だった――

<感想>

公式では、シュナミティズム・ノベルと名付けられている本作。
端的に言うと、19世紀の近世のフランスを舞台にしたレズゲーになります。

ボリュームも少ない作品ですし、良くも悪くも上記につきますかね。
ただ、このサークルの作品は、例えば普通の学園を舞台にした作品であっても、商業エロゲとは異なる雰囲気を持っているわけでして。
ましてや本作の場合、近世フランスを舞台にしているわけですから、少なくとも普段とは異なった体験ができるのではないでしょうか。
そういう意味では、多くのプレイヤーが新鮮な気持ちで楽しめると思います。

時系列が逆になってしまいますが、今振り返ってみるとという観点で話しますと、本作が発売されたのは2014年で、その翌年には『恋と、ギターと、青い空。』と、『亡国のクルティザンヌ』の2作品が発売されます。
このサークルの作品としては、この2作品が飛びぬけて面白いです。
『恋と、ギターと、青い空。』はレズを扱った作品であり、『亡国のクルティザンヌ』は19世紀のフランスを扱った作品になります。
つまり、本作の持つレズゲーとしての要素を突き詰めて発展させたのが、『恋と、ギターと、青い空。』なのであり、本作の持つ実在の歴史と絡めたストーリー展開を突き詰めて発展させたのが、『亡国のクルティザンヌ』と言えるわけです。
2015年に発売された上記2作品だけを比べると、全然方向性が異なるようにも見えるのですが、本作をプレイしていると、本作から枝分かれしていったんだなとも思えますし、
本作は原点ともいえるのかもしれませんね。

<評価>

本作だけの評価となりますと、良くも悪くも一風変わったレズゲーとなりますので、総合では佳作とします。

本作だけをプレイしますと、確かに小粒な作品ですし、目の付け所は面白いけれど、まだまだ発展途上かなという印象を抱きます。
ただ、そういう作品の評価とかを抜きにして考えた場合、『恋と、ギターと、青い空。』と『亡国のクルティザンヌ』が大好きなだけに、この2作品をつなぐ存在としての本作をプレイすることができて、私は本当に良かったなと思います。

というわけで、特別優れた作品というわけでもないのですが、一風変わったレズゲーがプレイしたい人とか、Cosmillicaの作品が好きだという人であれば、プレイして満足できるのではないでしょうか。

ランク:C(佳作)

Last Updated on 2024-05-15 by katan

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