『キャプテン翼5 ~覇者の称号カンピオーネ~』は、1994年にSFC用として、テクモから発売されました。
シリーズ5作目にして、SFCのテクモ版として最後の作品でした。
<感想>
1988年に発売されたFC版『キャプテン翼』は、掛け値なしに傑作といえる作品でした。
それに続く2は、1作目の欠点を修正しつつストーリーを大幅に強化し、更に上をいく仕上がりとなりました。
3以降はハードがSFCになりました。
FC時代よりも演出面には磨きがかかったし、キャプ翼ファンとしては十分に楽しめましたよ。
しかしながら、私のようなファン補正を除いた場合、3と4の出来自体は、1や2と比べるとイマイチだったかと思います。
確かに、演出はハードが変わった分だけ進化しました。
しかし、システムの変化がなく、マンネリになっていったのです。
いや、単なるマンネリではありません。
必殺技がインフレ化してきて、大味になってきたんですね。
FFで例えると、中盤でイフリート、シヴァ、ラムウを使い分けてた頃の方が、
バハムート連発の終盤よりも戦術性の幅は高いですよね。
3や4は最初からRPGの終盤みたいな雰囲気もありましたから、バハムート連発状態のようで私には大味に思えたのです。
4ではバグもあったので、正直5は買わない予定だったのですが・・・
発表されたのを見て、考えが変わりました。
システムが、ガラリと変わりましたからね。
これは買わねばって即座に考え直したものです。
システムの良さで評価を得たシリーズで、よくぞそのシステムを変える勇気を持てたものです。
さて、肝心のシステムの内容をみてみますと、基本的に普通のサッカーゲームっぽい画面になりました。
画面の切り替えが減り、よりスピーディーになりました。
それでいてアクションになったわけでもなく、処理はSLGとしてなされていましたからね。
見た目は変わっても、プレイ感覚は従来のSLGとしての面白さを保っていました。
また、敵にもガッツが導入されたことで不公平感がなくなり、ワザとガッツを消費させて使い物にならなくさせる等、こちらの戦術性も増しました。
それと、個人的によく出来ていたなと思ったことは、ポジショニングの概念でしょうね。
本当のサッカーなら、どんなキーパーだって位置によっては届きません。
だからサイドから揺さぶりをかけたりして、キーパーのポジションをずらしたり体勢を崩すことが有効です。
でも、これまでのシリーズでは、パンチとキャッチの数値が全てでしたからね。
揺さぶる意味がなく、ゴールに一番近い真正面からシュートばかりでした。
本作ではポジショニングの概念があり、キーパーもボールの動きにあわせて動きます。
ポジショニングが悪いキーパーは、揺さぶりをかけるとスキが生まれます。
そうなると、数値的には絶対無理と思える選手でもゴールが奪えるのです。
私は、これによってリアリティが格段に増したなって思いました。
最近のサッカーSLGはあまりやってないので、確かなことは言えないですけどね。
私的には、このゲームのシステムがベストだと思うんですよね。
少なくとも、当時では最高のシステムでした。
今回のシステム自体は、初代からやってきた人には賛否両論あったみたいです。
やっぱり従来の方が良い、5は普通のサッカーゲームっぽくて嫌だっていうのが主な理由でしょう。
この考え方は当然あるでしょうね。
ただ、私的にはマンネリを脱却した点で高く評価したいです。
システムは凄く楽しめたんです。
グラフィック等も相変わらず良かったですし。
SFCのゲームとしては珍しく声が入ってたのも、ポイントが高かったですね。
PCEとかだと音声は普通にあったけどSFCではほぼ皆無でしたから、それだけにインパクトも大きかったです。
問題はストーリーでしょうか。
これは、主観的な思い入れ次第なところもあります。
そのため、あくまでも私個人の感想としてなんですけどね。
本作では新田に焦点が当てられています。
突然、別人のように進化しています。
正直なところ、何で今更新田?って思ってしまいました。
つけあがる新田に軽く殺意が沸いてしまいましたよw
ファンなら歓喜ものだったのかもしれないですけどね。
何せラスボス戦で敵で登場するくらいですから。
まぁ、でもそれはまだ良いとしましょう。
本作はこれまでのキャラたちが大幅にリストラされたりしてまして。
特にコインブラのリストラが痛かった。
シリーズ全作品をやってきた人なら、2で見せたコインブラの強烈なインパクトは忘れられないでしょう。
私の中では、今でも翼の最高のライバルはコインブラなんです。
彼が表舞台からいなくなっただけでも、ショックは大きかったですね。
ストーリーは全般的にあまり楽しめなかったな~キャラに思い入れが強くなりすぎて、素直に楽しめなくなっちゃったんですね。
ここは、素直に受け入れられた人が少し羨ましい気もします。
<評価>
そういうわけでストーリー面では個人的にはもやもやしてましたけど、システム的にはよく出来ていたし名作と言えるでしょう。
このシステムを用いた6が発売されなかったことが、つくづく残念で仕方ないですね。
ランク:A-(名作)
Last Updated on 2024-10-06 by katan
コメント