『アリスの別荘9』は1997年にWIN用として、アリスソフトから発売されました。
乙女戦記の印象が強いですが、これも1つのファンサービスの形なのでしょうね。
<概要>
アダルトゲームメーカーは、様々な方法で情報を発信しています。
しかし、昔になればなるほど、その方法は限られてきます。
97年の時点で、アリスは既にホームページ上で各種サービスを発表していましたが、インターネット自体がまだまだ普及していない時期でもありました。
統計によると、97年末でまだ9.2%らしいので、97年初めだともっと低くなります。
パソ通も加えれば少しは増えるでしょうが、それでも大した数ではないでしょう。
せっかくホームページでサービスを提供していても、必ずしも皆が利用できるという状態ではなかったのです。
そこで、そんなインターネット環境の整っていないユーザーを対象にし、アリスのホームページのデータを全て収録したCD-ROMが発売されました。
それが「アリスの別荘」だったのです。
これはファンクラブで貰える会誌を通じて通販で購入するので、ファンクラブ専用商品となります。
価格はCD-ROM代が1000円に送料が500円でした。
『アリスの別荘9』は97年2月末に注文締め切りで、3月発送でした。
当時のホームページの内容が収録されているということで、96年12月発売の『鬼畜王ランス』のキャラ紹介・相関図や、97年に予定されている新作の情報が中心になっています。
それらの情報を知りたかった人もいたでしょうが、おそらく一番の目玉は『乙女戦記』だったのでしょう。
『乙女戦記』は3DダンジョンタイプのRPGであり、高い難易度で当初から人気が高かったです。
しかし、ホームページでの無料配布という形式だったため、当然ながらネットを利用できない人は遊ぶことが出来ません。
また、ネットを利用している人であっても、当時は回線速度が遅かったですし、電話代が常にネックになった時代でした。
だから気軽にゲームをダウンロードすることもできませんでした。
その『乙女戦記』が収録されているということで、『アリスの別荘9』は大きな意義を有していたわけです。
なお、他には『人魚』も収録されていましたね。
<会誌>
ちなみに、上記のように本作の募集は会誌上でなされました。
「アリスの部屋 Vol.27 おとそ」でしたね。
雑誌よりもどこよりも情報が早かったこの会誌は、当時とても楽しみにしていました。
会誌が届くのが、とにかく待ち遠しかった頃ですね。
特にこの「おとそ」は、平成9年(1997年)の開発計画が載せられており、非常にワクワクしながら読んだものです。
結局、『さやかちゃん物語』は幻のままに終わってしまいましたけどね。
また、『人間狩り』は、当初は単独発売の予定で紹介されていました。
他には、「つるつる通信16」のロリっ娘は非常にツボでしたし、会誌の中でもかなり好きな号でしたね。
まぁ「つるつる通信16」のロリっ娘と言われて、すぐに分かる人もいないかもしれませんが・・・
<最後に>
というわけで、今回はゲームそのものとは言い切れない面もあるのですが、『乙女戦記』が収録されたCD-ROMということで、これはこれでゲーム扱いで構わないのかなと。
『乙女戦記』のタイトルで記事を書くことも考えたのですが、むしろこのCDそのものの方が今では資料価値があるのかなと思い、結局は『アリスの別荘9』として書くことにしました。
『乙女戦記』自体は突出した特徴はないので、色物好きな私の好みとは少し異なるのですけどね。
それでも、可愛い女の子たちによるハードなゲームということで、確かに遊び応えはありましたしね。
これはファンが生まれるのも頷けます。
まぁ、今ではこういう販売方法は全く必要なくなりましたから、この当時ならではの方法ということで、今ではむしろ歴史を物語る資料的価値の方が大きいのかもしれませんね。
Last Updated on 2024-12-10 by katan
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