ブリッツシュトラーセ

1996

『ブリッツシュトラーセ』は1996年にWIN用として、アートディンクから発売されました。

箱庭とストラテジーの融合ということで、かなり期待したのですが・・・

<概要>

私はアートディンクのゲームは結構好きでプレイしています。
アートディンクの作品は、PC版が発売された後、ゲーム機に移植されることも多いです。
しかし本作は、移植されずにPC版だけだし、シリーズ化もされていませんし、WINDOWS初期の作品でもありますので、今となっては多分かなりマイナーな作品なのでしょうね。
内容は、近年の作品で言えば『ストロングホールド』が近いでしょうか。

具体的には、公式でも「城ゲー」と書いているように、とにかく城に注目した作品です。
領土を拡大するために敵の城を攻め、全ての城を支配下にすることが目的で、その辺は典型的なストラテジー(戦略)ゲームとなるのでしょう。

もっとも、城は攻める対象であると同時に、敵に攻められる対象でもあります。
本作では箱庭SLGで街等を成長させるようにして、また戦略SLGの内政の替わりも兼ねて築城を行います。

どこに何を配置するのか。
頑強な塀を作れば、それだけ守備は堅くなります。
通路が複雑になれば、敵の侵入は遅くなります。
食料や武器をどこに保管するかすらも影響してきますので、侵略されない城を作るために考えるべきことは一杯あります。
その一方で、城の外見にこだわりたいと思うのも、人の素直な心理なのでしょう。

逆に攻める場合、攻城は普通は何倍もの戦力が必要と言われます。
しかし効率的に攻められれば、必要な戦力もそれだけ少なくてすみます。
城ごとに構造が違うので、攻め方もそれぞれ異なるのです。

<感想>

従来の戦略SLGでは攻城戦が画一的だったり、数値により力押しで臨むものが多かったです。
もう少し城攻めにこだわった作品があっても良いよなと、常々思っていました。

また、戦略ゲームには内政がつきものですが、街の発展は単なる財政面における数字上の存在でしかなく、戦略部分との結びつきが弱いのも気になっていました。

本作は築城にこだわった作品で、自陣を成長させる箱庭ゲーム的部分と、戦略SLGとしての部分を密接に関連させたゲームだったのです。

その理念は非常に面白いと思いましたし、複雑そうなので、馬鹿みたいに高い攻略本もセットで購入したものでした。

とは言うものの、プレイ前の期待のわりには、実はあまりプレイしていなかったりします。
クリアしていないので、あまり大したことは言えないのですけどね。
だからランクも暫定的なものでしかないですし。

何であまりプレイしていないかと言うと、とにかく複雑で細かすぎるのです。
SLGは細かければ細かいほど良いって思えるような、生粋のSLG好きならまた違うのかもしれません。
しかし、あまり細かいのは面倒と思う私みたいなのには、ちょっと荷が重かったようです。
ましてやアートディンクの場合、素材は十分に用意しつつも、良く言えばプレイヤーに委ねた、悪く言えば味気ない傾向もありますので、こういう作品ではその傾向が悪い方に感じられやすいのです。
攻略本も高いだけで内容が薄く役に立ちませんし。
・・・あれ、別売の説明書の延長みたいなものでしたからね。

今でもアイデアだけは抜群だったよなと思うのですが、今やっても途中で挫折してしまうでしょうね。
決して忘れることはないし印象深くもあるのだけれど、中々プレイする気にもなれない、不思議なゲームでもありました。

ランク:C(佳作)


ブリッツシュトラーセ

Last Updated on 2024-11-21 by katan

コメント

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    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ブリッツ・シュトラーセ!
    やりましたよ~、雑誌広告で知って発売日に買いに行きましたから。
    おっしゃる通り、城攻め特化のゲームがあってもいいよなって思っていたところだったので飛びつきましたね。
    いやー、しかししかし、やってみれば「ああ、やっぱアートディンクなんだな」と。
    このソフトは悪い意味でこのメーカーらしさが全開でした。
    何て言うかなあ、まるで乾パン食ってるような印象。
    ずーっと噛んでれば甘みも出てくるし、栄養的にも問題ないんだろうけど、食べてておいしくはない。
    そりゃあ年中デコレーションケーキばかり食いたいとは思わないけど、あまりにも素っ気ない造りでした。
    一応、出てくるキャラに個性をつけようとはしたらしいけど、パラメータの差違や地味なグラだけで表現してましたから、あれで感情移入しろというのは酷ですわ。
    しかも舞台は中世欧州ですよね。
    これを馴染みのある日本戦国時代にでもすればまだよかったと思うんですが、そういう売れ筋は敢えて排除するのがアートディンクたる所以なんだろうな。
    ひたすら城を造って領地を守り(つっても野戦はなくて城攻めだけじゃなかったかなあ)、あとは敵の城を攻略するだけ。
    歯応えはあるゲームだったけど「ゲームじゃなくて作業だなあ」という実感から抜けきれないソフトでした。
    アイディアというか目の付け所は良いだけに、非情にもったいないゲームだったと思います。

  2. SECRET: 0
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    > やりましたよ~、雑誌広告で知って発売日に買いに行きましたから。
    やりましたか~
    自分も雑誌広告で知ったはず。
    これ、96年の12月発売なんですね。この月は非常に大豊作で、毎週店に行っていましたから、たぶん自分も発売日に買ったように思います。
    ゲームを買いすぎて、こなしきれなくて、それで複雑そうな本作が後回しになったというのもありますね。
    何もない月だったら、ゆっくり遊んでいたでしょうから。
    > これを馴染みのある日本戦国時代にでもすればまだよかったと思うんですが、そういう売れ筋は敢えて排除するのがアートディンクたる所以なんだろうな。
    日本を舞台にした城攻めだと、また全然異なる雰囲気のゲームになるでしょうし、遊んでみたいですね。
    たぶん売上的にも、その方が売れそうだし。
    ゲームの方は、せっかく素材が良いのだから、もう少し初心者にも配慮した作りになっていれば格段に楽しく感じられたと思うだけに、勿体ないと感じてしまいますね。

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