『A列車で行こう4』は1993年にPC98用として、アートディンクから発売されました。
シリーズ4作目であり、個人的にはA列車シリーズの中で最も好きな作品でした。
<概要>
A列車で行こうシリーズもかなり長く続いていますが、鉄道経営SLGとなったのは3作目からです。
その3作目が好評を得たことから、同じ路線で大幅にバージョンアップされたのが本作でした。
システムは一応、鉄道経営SLGとなるでしょうか。
日本ではSLGの分類が未熟で馴染みがまだ薄い面もありますが、ミニスケープ(箱庭ゲーム)と言っても良いでしょうね。
オリジナリティとクオリティの双方を備え、この年のPCゲーム系の様々な賞も獲得していましたっけ。
ADV等の要素を伴わない純粋なSLGに関しては、90年代前半から半ばのPCゲームが一番輝いていたように思われます。
その中で数々の賞を受賞した本作は、ある意味頂点に達した作品の内の1つと言っても過言ではないでしょう。
<感想>
さて、ここでは便宜上、経営SLGの要素と箱庭ゲームの要素を分けて考えてみますが、本作に関してはその箱庭ゲーム(ミニスケープ)としての側面と、経営SLGとしての側面があるかと思われます。
まず箱庭ゲームとしての前作からの改良点は、道路の建設やバスの運行も設定出来るようになったことです。
前作では、同時期に出た『シムシティ』と比べると、箱庭ゲーム(ミニスケープ)としては物足りなさも感じてしまいました。
本作は細かな点も改良されており、箱庭ゲームとしての完成度が大幅に上昇しました。
SLGの続編ものは、徒に複雑にしすぎて、それで面白さの本質を見失ったように感じる作品も多かったりします。
そのため、基本的に私はSLGの続編物は好きになれないのが多いです。
しかし、本作の場合は前作が少し足りなかったくらいなので、これで調度良く感じましたね。
そして最大の改良点と言えるのが、高低差の概念により立体的な線路を作れるようになったことでしょう。
この点は非常に大きかったですね。
ゲーム序盤は攻略を念頭に置いていますから、どうしても効率を重視します。
それはそれで経営SLG的観点から、いかに理想的な線路を引けるかも、大きな目標となって楽しめます。
でも、ここまでだったら普通の経営SLGの楽しみ方と変わらないし、『シムシティ』なんかでもそうなのですが、長く遊んでいると飽きてきちゃうんですよね。
本作は立体的に作れることでプレイヤーの出来る幅が増し、人それぞれ、まるで異なった景観が出来上がるようになりました。
中には迷路のように複雑に入り組んだ物もあり、その光景はある種の芸術のようでもありました。
中には凄くセンスの良いのもあって、他人の作ったものを見るのが楽しいゲームでしたね。
しかも、その上を電車が走るわけですからね。
ギリギリのタイミングですれ違う電車を見るたびに、よく作ったなこれって感心したものです。
人が作った凄いものを見ちゃうと、どうしても対抗意識が燃えるものでして。
自分の美的感覚(?)を総動員して、より複雑でより美しい景観作りに勤しんだものです。
そうなってくると経営SLGとしての効率性なんて2の次になってきますが、経営SLGに飽きてきた頃にこうして遊べるってのは、1度で2度楽しめるわけですからね。
飽きっぽい私にしては極めて稀なケースで、非常に長い間楽しむことができたものです。
さて、箱庭ゲーム的観点から以上の通りですが、本作には経営SLGとしての側面もあります。
ただ、こと経営SLG的側面に限ってみるならば、本作はせいぜい前作のマイナーチェンジ程度にとどまり、大した変化はないかと思われます。
この点に関しては、ほぼ前作で魅力を出し切ってる感もありますしね。
比較という点では前作の方が分かりやすいのですが、前作は経営SLGとしては一級品でしたが、箱庭的側面は少し弱い作品でした。
『Sim City』は好きだけど『A列車シリーズ』は好きでないって人は、おそらく箱庭的側面の充実も望む人なんだと思います。
だからそういう人には、『A3』は物足りなくも感じちゃうのです。
なので、私を含めそういう人にとっては、『A3』より『A4』の方が楽しいんですよね。
ただ、発売時から『A3』の方が『Sim City』より好きって人も、当然ながらいるのでしょう。
そういう人は鉄道経営というもの自体に惹かれた人なのだと思います。
そしてその観点からは、本作はマイナーチェンジにしかすぎず、前作の『A3』程のインパクトは感じられなかったかと思います。
そうなると、『A4』は『A3』程楽しめなかったという意見も、当然出てくるでしょうね。
評価なんて個人によって異なるものですが、自分の求めるものがハッキリしていれば、買ってどのくらい楽しめるかも大体は見当がつくかと思いますね。
大まかな特徴は以上の通りなのですが、個人的な思い出はその後もあるわけでして。
というのも、本作は翌年にPSに移植されています。
PS本体と同時に発売されたローンチタイトルだったんですね。
当時『MYST』が発売されているサターンを買おうかと思っていたのですが、『MYST』がPSでも発売されることを知って、サターンにこだわる必要がなくなりました。
だったらA4が出ているPSにしようって思ったのであり、言わば私にとってPS購入の決め手にもなった作品なんです。
私は通常、リメイク版は買わないタイプです。
ただ、PS版は車窓モードが付いており、自分で作った街並を電車に乗って見ることができたんです。
そんな経験が出来るならば、ぜひ実際に試してみたいな~って思って、それで購入したのです。
まぁ、メモリーカードは実質的に1枚使ってしまうし、PC版よりも快適さはないですからね。
操作性等も全部ひっくるめたゲーム性ではPC版より劣るでしょう。
そのため、必ずしも完全なパワーアップとは言えませんが、自分の作り上げた街並みを見たいという、購入前に望んだことはほぼ得られたかと思います。
とりあえず今からプレイするのであれば、ゲーム部分に重点を置くのならPC版で、グラフィックも重視するのならPS版ってとこでしょうかね。
<評価>
A4は、シリーズ最高傑作と言って過言でないでしょう。
でもそれは、ゲーム性と見た目の両方を兼ね備えていたからです。
その後のA列車シリーズはPS版のA4路線に自信を持ちすぎたのか、ゲーム性を放棄して見た目重視になっていきました。
PC版のA4を好む者としては、その様子は何か寂しいものがありましたね。
2005年のA7からA4路線に戻したみたいですが、またA列車シリーズには復活してもらいたいものです。
ランク:AA-(傑作)


Last Updated on 2024-09-15 by katan


コメント