『善悪』は2017年にWIN用として、Waffleから発売されました。
フルプライスのダーク系として、読み応えのある作品でしたね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
家族のために、内なる暴力性を目覚めさせる。
篠木雅哉は4人の女を廃病院に監禁していた。
4人の犯した罪を自ら暴き、断罪するために。
この4人の女は、雅哉の大切な弟と妹が亡くなったことに深く関わっている。
だが、彼女たちはそう簡単には口を割らない。
まともなやり方では彼女たちが何も話さないのならば、強引にでも聞き出してやる。
尋問、拷問、どんな手を使ってでも。
彼女たちを、徹底的に懲らしめるまで――。
<感想>
2009年の規制以降、陵辱系作品自体が減ってしまいました。
仮に陵辱系の作品があったとしても、ロープライスだったり同人だったりで、ボリュームが少なく、技術面も低い作品ばかりでした。
また、いわゆる抜きゲーが大半であり、ストーリーも楽しめるような読み応えのある陵辱系作品はほとんどなくなりました。
そのような現状の中にあっては、フルプライスで、価格相当のボリュームがあり、陵辱モノであるにもかかわらず、実用性重視というよりもストーリーを読ませることに比重があるという、本作のような作品が出ること自体が喜ばしいことと言えます。
本作はプレイ開始時から演出が凝っており、この辺が同人やロープラとは違うところだよなと、最初から感じることができたので、最初から良い印象でプレイを開始することができました。
ところで、いわゆるシナリオ重視と呼ばれるストーリー重視の作品であっても、近年の作品の場合、当初は目的がハッキリしなかったり、ストーリーの本筋とは直接関係ないような、無駄な日常シーンから入る作品が多いです。
個人的には、その点に普段から不満がありました。
その点、本作の場合、主人公には、弟と妹の死の真相を突き止めるという目的が最初からありますし、その目的に向かって真っすぐ行動するわけでして。
つまり根幹となる目的が最初からしっかり示され、ストーリーがぶれずに進行していきますので、すぐに物語に入っていけるんですよね。
加えて、真相を突き止めるというサスペンス要素もあるので、先が気になりますし。
だから、ついつい読んでしまうと。
精神的に肉体的にヒロインらを追い詰める主人公の言動も、一貫していて好感が持てましたし、読んでいて楽しかったです。
そこに商業フルプラとしての演出も加わるので、その意味では、満足度も高かったです。
ただ、気になる点等も幾つかありまして。まず、本作はストーリー重視の作品であり、物語上のジャンルとしてはダーク系に該当する作品になります。
読ませることに比重があるので、エロの過激さを追求した作品ではありません。
だからストーリーとか興味ないよ、とにかく過激なシーンさえあればというような、実用性だけを求める人の場合、
四肢切断とか過激なシチュのない本作に対する満足度は、あまり高くならないでしょう。
まぁ、あのシチュがないとか、ないものねだりをするのはナンセンスかもしれませんが、ストーリーの中でテキストで書かれたシーンとなると別です。
というのも、本作の場合、終盤で妹が体を売らされるシーンとかありまして。
しかし、その場面のCGがありません。
作品内に用意したシチュで、あるべきCGがないのは、不満を持たれても仕方ないと思います。
次に、本作は、Waffle自身が2013年に発売した『ヤバい! ―復讐・闇サイト― 』と、ストーリーが似ているわけでして。
ある意味、リメイクのような作品ともいえます。
つまりオリジナリティが低いと考えられることから、どうしても私の評価は下がってしまいます。
まぁ、この辺は、人によっても捉え方は異なるのでしょうけどね。
ゼロ年代前半の名作とか言われている作品の中にも、どっかの作品と非常に似ていて、ライター自身も似た設定でも俺が書いたら違うのだ的な、そんな態度だったりするものが結構ありましたからね。
<評価>
オリジナリティの低さから、どうしてもその分は低く考えざるをえないのですが、それをふまえても、こういった作品でボリュームがあって、演出も良い作品とか、あまりないですからね。
存在自体が貴重でもあるし、内容的には十分楽しめる作品だと思います。
そのため、総合ではギリギリ良作とします。
ランク:B-(良作)
Last Updated on 2024-08-16 by katan
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