『人気声優のつくりかた』は2017年にWIN用として、MintCUBEから発売されました。
ありそうで意外と少ない声優モノですね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
中堅声優事務所「プロダクション・ブルーム」は慢性的な人手不足。
主人公・永倉啓人は、マネージャーと旧知の仲ということもあり音響制作会社から台本を回収し事務所へと持ち帰る「台本回収」のアルバイトを依頼される。
現場を巡る啓人は、様々な悩みを抱えた声優たちと出会ってゆく。
伸び悩む子。トップアイドル。そして……妹?
知ってるつもりで、あまり知らない声優業界の舞台裏。
役作り?ギャラ?アフレコのやり方?成功の秘訣?
声優という職業を、役者&マネージャー&音響──
「中の人」からの視点中心に描く真実度・78%の声優業界ラブコメディ。
プレイすれば、業界の全体像がぼんやりと見えてくる……!?
<感想>
90年代は、特に一般PCゲーとかで、いくつか声優に焦点を当てた作品もあったのだけれど、逆に近年の方が少ないような気もするわけで、何か久しぶりって感じですね。
しかもそれがアダルトゲームとなると、意外なほどにないようにも思います。
声優人気があるのなら、もっと増えても良さそうなものですが、そうでもないんですかね。
さて、本作にも学園要素と恋愛要素はあるのですが、他社のテンプレな学園恋愛モノと異なり、声優要素が多く含まれていることから、プレイしていての新鮮味があります。
また、テンポ良く進み、コンパクトにまとまっている作品なので、だれることなく楽しめます。
もちろん、キャラが魅力的なことは、言うまでもありません。
個人的には、黒髪ロングは正義ということで、いつみが好きでしたね。
以上のような作品なので、特に共通ルートは楽しかったし、だれることなく最後まで一気に楽しめる作品だと思います。
ただ、楽しいことは楽しいのですし、コンパクトなのも良いのですが、若干掘り下げが足りないわけでして。
大きく盛り上がるわけでもなく、もう一つインパクトが足りないんですよね。
せっかく着眼点は良かったのですから、いっそのこと学園要素は完全に取り除き、何なら恋愛要素も取り除いても構わないから、声優業界ゲーとして完全に特化していれば、もっと面白くなったのではないでしょうか。
決して多くない分量の中に、あれもこれもと詰め込んでしまったために、結果的に少しぼやけたような作品になってしまった感じです。
もちろん、詰め込んでも構わないのだけれど、それならそれで、全体の量は増やすべきだし、登場人物もミニマムにするのではなく、作品の性質上、もっと出すべきだったと思います。
<評価>
とりあえず、単純に楽しい作品ですからね。
過度に期待しなければ、幅広い層が楽しめる作品と言えるでしょう。
学園恋愛モノが好きな人はもちろんのこと、学園恋愛モノが飽きてきたという人でも、本作であれば楽しめるはずです。
その一方で、これが名作かとなると、或いは面白い作品があると聞いていろいろ期待してしまうと、ちょっとずつ惜しい所が目に入ってしまうような、物足りなさも感じる作品でした。
そのため、総合では佳作とします。
ちょっと変えれば大きく化ける可能性もあるので、次回作には期待したいところですね。
ランク:C(佳作)
Last Updated on 2024-08-17 by katan