妖花の園

2019

『妖花の園』は2019年にWIN用として、WendyBellから発売されました。

珍しい百合+触手という内容であり、個人的には奥行きを感じさせるCGが気に入った作品でした。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
霊能者だった祖父の血を受け継ぐ理沙は、この世ならざるものを見たり、簡単なお祓いをする能力は持っていた。
けれど本人はその能力を嫌っていて、あやかしや物の怪たちとは関わりたくないと思っている。
あるとき、友達のオカルト研の部長に、よくないものが憑いていることに気が付く。
最近おかしな場所に行かなかったか問い質すと、心霊スポットとして一部で有名な廃校を利用した合宿所の下見に行ったという。
友達のことが心配になった理沙は、合宿に同行することを決める。
海水浴にバーベキュー、花火大会。
何事もなく楽しい合宿を満喫。
理沙の心配は取り越し苦労に終わるかと思われた。
けれど、合宿の最後の夜に行われた肝試しの最中に事件は起こる。
廃校の中に現れた、白い靄のような人の影。
次々と様子がおかしくなってゆく部員たち。
普通の女の子として生きたいと願っていた理沙は、物の怪が引き起こす怪異に、否応なしに巻き込まれてゆく。

<感想>

本作は巨大感情百合と評されるタイプの百合に、オカルト風味が加わった作品になります。
もっと限定するならば、百合+触手であり、百合に触手要素が加わった感じの作品になります。

百合と触手という組み合わせは珍しいというか、正直なところ相性が悪いと思うわけで、だから作品数が少ないのだと思います。
レズ+触手なら相性は良いと思うのですが、百合を好むユーザーが触手による濃厚なHを好むかというと、なかなかそういう人はいないのではないでしょうか。
だからどうしても、私のような節操のない人は別として、一般論としては、かなり人を選んでしまうと思います。
まぁ、私個人は、適度にストーリーを楽しめつつ、百合成分も堪能できましたので、結構楽しめましたけどね。

ストーリー自体は、特に優れているわけでもないので、ホラーやオカルト要素に期待してプレイすると、あまり楽しめないかもしれません。
本作の魅力はやっぱり百合であり、たくさんの女の子たちの会話を楽しみつつ、一人一人がそれぞれ強い想いを秘めていたりするので、それを楽しむ作品といえるのでしょう。
私は、たくさんの女の子たちがいて、集団での楽しさがありつつ、作品内で複数カップルがあることで個別百合も楽しめるタイプが好きなので、本作は結構ツボに来ました。

それから、本作をプレイしていて、実は一番良いなと思ったのはグラフィックでした。
何が行われているか、きちんと場面が描けているのもそうですが、画面に奥行きを感じさせるCGが多く、満足度の高いCGが多かったです。
女の子たちが楽しんでいる姿を十分に堪能できましたし、ここはポイントが高いです。

原画は、白井一片さんという方ですね。
キャラデザは場面により崩れて見える部分もあるので、エロゲユーザーの間からは評価されにくいように思います。
しかし、個人的には、それ以上に構図の良さの方が魅力的に見えたんですよね。

なお、最近の作品にしては珍しく、ワイド画面ではなく4:3になっています。
本作をプレイしていると、アダルトゲームに関しては、やっぱり4:3の方が向いているように思えてきますね。

<評価>

扱っている題材の相性の悪さから、なかなか高く評価はされにくいであろう本作。
私も、ストーリーだけであれば佳作以下にしていたと思いますが、イベントCGがとても良かったので、その分を考慮し、総合では良作とします。

題材の時点で好き嫌いのわかれやすい作品かもしれませんが、最近、あまり満足できる百合ゲーに出会えていなかったので、主観的には大満足でした。

ランク:B(良作)


駿河屋

Last Updated on 2024-08-10 by katan

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