『ヤミと帽子と本の旅人』は2002年にWIN用として、ROOTから発売されました。
そういや結局、『LUNAR CAGE』は発売されませんでしたね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
僕は、この平和な日々がいつまでも続くと思っていた。
夕方の空が突然裂け、赤く巨大な竜が現れ彼女を連れ去ってしまうままでは。
そして、気がつくとそこは奇妙な図書館だった。
やがてそこが「世界の全てを収めている図書館」だと知る。
だが、僕のいた世界=本は壊れかけて戻れなかった。
<感想>
本作の出た経緯が何だったか、もう記憶が曖昧になっているのですが、原画であるCARNELIANさんはデビュー当初から人気が凄くて、新しくROOTを作った時も新ブランドなのに最初から注目度が高かったのですよ。
ROOTのデビュー作は『顔のない月』(2000)であるところ、私も発売前から、かなり期待して待っていたものです。
もっとも、実は一番期待していたのが、『LUNAR CAGE』だったんですね。
『LUNAR CAGE』は確か2000年には制作が発表されていたので、順調に行けば『顔のない月』の次に出る予定だったはず。
しかし、『顔のない月』関連商品が一通り出た後に、2作目の完全新作として発売されたのは本作でした。
『LUNAR CAGE』に何で期待していたかと言うと、このブログに何度も訪れている人は分ると思いますが、私はMYST系のADVが大好きでして。
アダルトゲームも当然好きですから、両者が混ざったようなゲームが出れば最高なのですよ。
でも、そういうゲームはずっと出なかったわけでして。
そんな時にCARNELIANさんが、『MYST』のようなアダルトゲームを企画していると告知し、それが『LUNAR CAGE』だったのです。
私が注目しない理由はないですよね。
だからずっと待っていたのですが、やっぱり製作が難しいのか、今になっても発売されていません。
もう、無理なのでしょうね。
さて、最初から脱線した話になってしまいましたが、それには理由がありまして。
本作をプレイしたのは、発売から数年経ってからになります。
『LUNAR CAGE』ではないし、ミドルプライスだから、後回しで構わないかと思ったものですから。
しかし、プレイしてまず最初に、『LUNAR CAGE』を思い出したのです。
というのも、まず本作のあらすじは、図書館の世界に紛れ込んだ主人公が、行方不明になった義姉を探して様々な本の世界を旅するものになります。
図書館の中の本が様々な世界に通じるという設定から、他の人は何を想像するか分かりませんが、少なくとも私は、『MYST』に似ているなって思いました。
まぁストーリー設定の方向性だけなら、他の物を連想することもあったかもしれませんが、他の要素も加えると、真っ先に『MYST』が浮かんでくるのです。
例えば本作では地の文がほとんどないことや、BGMもなく効果音だけの世界であることなどですね。
『MYST』はテキストを廃する方向性のADVですし、BGMもなく、効果音で臨場感を出す作品です。
大雑把な方向性が、『MYST』と似ているので、それで『LUNAR CAGE』を思い出したわけです。
もっとも、本作には『MYST』のような謎解きはありませんので、一番肝心な部分が大きく異なるんですけどね。
ただ、『LUNAR CAGE』から謎解き要素を除くと、本作みたいなんだろうなということですね。
グラフィックは全盛期のCARNELIANさんだけあって、様々な世界の雰囲気も良く、雰囲気ゲーとしても楽しめます。
ただ、テキスト欄脇の立ち絵であるとか、用い方に少し疑問が残り、CARNELIANさんの過去作より良いとは思えませんでした。
<評価>
基本的に様々な世界観を堪能する雰囲気ゲーだと思うのですが、絵や音の使い方に違和感があり、全体的に物足りない感じがしてしまい、満足度は低かったです。
私の場合は、どうしてもMYST系の出来損ないにしか見えなかったので、それで印象が悪くなった面もあるわけでして。
逆にMYST系を一切知らない人の方が、楽しめるかもしれませんね。
Last Updated on 2025-04-01 by katan
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