『ウィザーズハーモニー』は1995年にPS及びSS用として、アークシステムワークスから発売されました。
後のウィザーズハーモニーシリーズに、エターナルメロディ・悠久幻想曲ラインと、どこぞのプロレス団体の分裂みたいでややこしかったですが、本作はそれらの原点とも言える作品でした。
<感想>
ゲームジャンルは育成SLG+ADVになります。
正直なところ、SLGパートやADVパートの個々の完成度自体は、それほど高いとは思っていません。
たぶん今やったら、多くの人が不満を感じるのではないでしょうか。
でも、それもその人たちが後の優れた作品を知っているからの話です。
本作は恋愛系のゲームでもあるわけですが、ゲーム機ではSLGが先に流行し、次第にADVへとシフトしていきました。
その過渡期にはSLG+ADVという形式もあったわけで、本作もその中の1本と言えるでしょう。
ただ、本作が出たのは95年です。
SLGが主流の時代はまだ続いていたわけで、他の後追いゲームと同列に扱ってはいけません。
その時代に既に融合させたシステムに移行していたのは、素直に賞賛に値するでしょう。
95年は次世代機が普及しきっておらず、本作をプレイしたのは大分後になってからの人も多いはず。
そしてその頃にはこのようなゲームも多くなっていたでしょう。
だから後の基準で見てしまうと、本作の意味合いを見誤ってしまうのです。
また、本作の定価は4900円でした。
この価格の安さも評価に値するでしょうね。
PCゲーならミドルプライスに相当するわけですから。
SFCとかのゲームより綺麗で音声もあって、それで価格は半分以下なわけです。
PSの他のゲームも大半は5800円でしたし、この価格で提供しようとした意気は買いたいものです。
そして、一番の魅力はmooさんの描くキャラですね。
とにかく可愛かったです。
微妙にショボく見えてしまうところが残念でもありましたが、この時期では十分に長所と言えたでしょう。
<評価>
そういうわけでよく頑張ったなっていうか、制作陣の意気込みの伝わってきた作品でした。
ただ、その頑張りがもう1つゲームの面白さにつながらなかったわけで、良作とは言えても名作と言うにはもう1つ突き抜けたものが足りませんでした。
過渡期のゲームは、後になってプレイしても良さが分かりにくいものですが、ゲーム機の恋愛ゲームとしては、95年を代表する1本と言えるのではないでしょうか。
ランク:B-(良作)
Last Updated on 2024-10-25 by katan
コメント