帰ってきた探偵団X

1990

『帰ってきた探偵団X』は1990年にPC88用として、ハート電子から発売されました。

パロディー満載のバカゲーの続編になります。

<概要>

89年にハート電子から、『探偵団X』という作品が発売されました。
『探偵団X』は様々なゲームのパロディが満載された作品であり、それを前面に打ち出して発売された作品でした。
ただ、確かその1作目は、クレームがついたとかで、発売中止になったんだそうで。

でも、それにこりずに翌年に発売されたのが、この『帰ってきた探偵団X』だったのです。

<ゲームデザイン>

基本的にはオーソドックスなコマンド選択式のADVになります。
各コマンドにテンキーが割りふられてありますので、その点では操作性は良いはずなんですよね。

しかし、頻繁に0を押して進めることを求められたり、微妙に手間が増えて、せっかく長所になりそうな部分も消えてしまいました。
まぁ好意的に解釈するならば、面倒な構造になるところを、テンキーを割り振ることで少しはストレスを軽減したとなるのでしょうけれど。

根本がバカゲーということもあり、ジャンル名を言葉で表現すればコマンド選択式となるものの、いろいろと微妙に変なんですよね。
そもそも、OPからしてスペースキー連打を要求され、上手くいかないとゲームすら始まりませんから。
まぁ、そう考えると、先ほどの頻繁に0を押さなければならないというのも、確信犯的なゲームデザインといえるかもですね。

<ストーリー>

シナリオは全部で3本あり、最初にどれをやるか選ぶことになります。
3本はそれぞれ「ブリバリ伝説」、「がんばれ地球防衛軍」、「乙姫の涙は深海の果てに」なのですが、結局どれもパロディからなるバカゲーになります。

今だと、こういうパロディ系のバカゲーも溢れかえっていますが、この当時はまだ珍しかったので、新鮮さもありました。
とは言うものの、結局は理屈ぬきに阿呆な雰囲気にどこまで感情移入できるのかで、本作を楽しめるか否かも決まってくるのでしょう。

<感想>

パロディだらけのバカゲーというのは、現在は個人的にあまり相性の良いジャンルではありません。
どちらかと言うと、近年は嫌気すらさしてきていますし。
しかし当時はパロディ特化作品が珍しいこともあり、これはこれで1つの特徴足りえました。

個人的にも本作は楽しめたのですが、そこにはグラフィックやサウンドの良さも大きく関係しているのかなと。
というのも、ノリの良い音楽なだけでなく、グラフィックも頻繁に細かく動くんですね。
だから見ているだけで楽しくなってきますし、演出の優れた作品といえるのでしょう。

<評価>

この作品自体は一般作なのですが、ハート電子はアダルトゲームブランドでもありますからね。
そのブランドの作品で、ここまで「動く」というのは驚きでした。
グラフィックの動きという面では、当時のアダルトゲームブランドの作品の中でも屈指の出来かと思います。

そのグラフィックとサウンドに個性豊かなキャラが加わることで、楽しい作品になったということですね。
パロディということで名作と言い切る人はいないかもしれませんし、中々語られることもなくなっていくタイプの作品かもしれませんが、多くの人が楽しめる良作って感じの作品ではないでしょうか。

ランク:B(良作)


帰ってきた探偵団X

Last Updated on 2025-02-06 by katan

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